映像・広告クリエイター科

2010年 09月 13日

『夏限定で開く 注目のクリエイターの生トーク。』生レポートが更新されました。

夏季特別短期セミナー/『夏限定で開く注目のクリエイターの生トーク。』レポート


猛暑を越える超HOTなセミナー、スタート!
学内外の学生及び卒業生など現場の若手クリエイターから、現在最も輝いているトップ・クリエイターの方々の短期集中講座を開いてほしいとの要望で、開催してきました夏季特別短期セミナー。
その第7弾として、クリエイティブ・ディレクター、CMディレクター等、6人の方をお呼びして、"ねじれ広告業界を解きほぐすクリエイティブなトークショー"を開講。今年は『東北新社の映像学校が夏限定で開く 注目のクリエイターの生トーク。』と題して、2010年8月17日~8月30日までの5日間、開催しました。

【第1夜】 8月17日 加藤哲志(モメンタムジャパン/クリエイティブディレクター)

モメンタムジャパンのクリエイティブディレクター加藤哲志講師がトップバッター。
テーマは【KYなCMの裏側~SEIYU KY(価格・安く)キャンペーン】。
その立ち上がりから現在まで、ポスターやTVCM22本をメイキング映像、音楽タイアップのクレイジーケンバンドのMVも含み、懇切丁寧に解説しながらの講義を展開された。

最後に、「これからも大切にし、気をつけて生きたいこと」

・ クライアントをヨイショしたアイデアは、その先の視聴者が鼻白むケースが多いので気をつける。
・ 15秒CMでも、余韻や残像効果でその後の数分持たすものに。
・ 正しいことよりおもしろいことを。
・ 「○○らしい」を疑え!知らず知らずに予定調和になっているかも。
・ 常識を疑え!なぜそれがタブーなのか、なぜそれが禁じ手なのか?みんなそういうものだと思い込んでいるだけかも。
・ 不自由を受け入れる。なんでもアリだとアイデアがユルクなる。タイトロープを渡るほうが切れ味がスルドクなることが多い。



で締めくくられた。講師の受講者への熱き思いは、1時間延長した濃厚な講義とKYノベルティーグッズのプレゼントにも現われていた。とても「KM(こころ・みたした)」な夜でした。
加藤講師、本当におつかれさまでした!


【受講者のコメント】 (受講生のアンケートより抜粋)
○ とても気になっていたキャンペーンなので、制作の裏側を見れて良かった。
○ 毒があったり、とてもフランクなお話で、最後まで楽しめた。
○ 裏話を聞いて、戦略を聞いて、改めてそのCMを見ると、作り手のこだわりや妥協しない姿勢が見えて、面白さも2倍。
○ クライアント、商品に対しての考えや試行錯誤している過程が伺え勉強になりました。
○ 分かりやすくオチがあり、スーパーというブランドにうまくはまるまで、熟考されている根気は見習いたいと思った。
○ レベルの高い内容で、是非とも現場で活かしていけるように心掛けたい。
○ プロモーションの企画を担当しているので、組み立て、アイデアの出し方など、とてもためになった。
○ 旬の広告を作っているクリエイターの方々の講義を自由に選択できて、とてもお得なセミナーだと思った。
○ 講師の方との距離が近くてよかった。

* 等々たくさんのご意見を頂きました。次回も乞うご期待!

【第2夜】 8月19日 横澤宏一郎(タンバリン/クリエイティブ ディレクター)

第2夜は、博報堂~タンバリンに参加のCMプランナー、コピーライターでもあるクリエイティブディレクター横澤宏一郎講師。

セミナーは、「やれる、やれない、じゃない。やりたいか、やりたくないか、だ」という、東大卒のプロ野球選手の言葉で、クリエイティブを目指す発端話から始まった。
「やりたい仕事を人に渡したくない」だから「クリエイティブディレクター+プランナー+コピーライター+ディレクター」を兼ねる『ひとり博報堂』が氏のスタイルで、TVCM、グラフィック、プロモーション、屋外広告、キャラクターづくりまで、「企画がすべて」であり、「正しいより強い」が、企画のモットー。
「面白いかどうかは、自分が面白いと思えるかどうか」である。また仕事をする場合、広告主のオリエン(商品・サービスの課題)と世の中のオリエン(世論・流行・機運)という課題から常に答を導き出している、と力説。TCCの新人賞の「ニッセイ保険口座」の広告事例から始まり、制作費低予算時代の作品を解説していく。
クリエイターオブザイヤーに輝く、「TSUTAYAディスカス」、名作「コナミ/ウイニングイレブン」から、現在のビッグプロジェクト「NTT docomo/アンサーハウス」、「リクルート/SUUMO」、「ペプシネックス」に至る作品と、その企画構造を解説された。

講師の発想のスタイルは、「日常の共感」。
「みんなに受けるだろうな、ではなく、おれは受けた。」であり、それは「自分で経験したことが、自分の企画になる」こと。「一人の思いが、万人に通じる」「"独感"こそが"共感"になる」つまり「世の中で、自分が面白いと思うこと、感じたこと」を課題(企画)にあてはめる」ことなのだ、と締め括られた。

講師の描かれた日常の"プチ"共感は、かなり奥深いと、受講生が共感した、熱帯夜が続く第2夜でした。

【受講者のコメント】 (受講者のアンケートから抜粋しました)
○ 「日常の置き換え」という着眼点をCMの中で活かす才能が素晴らしい。
○ 「やる、やれない」より「やりたい、やりたくない」に勇気とやる気が出た。
○ トップクリエイターの頭の中がのぞけ勉強になった。
○ CMは人間性だ、という言葉に共感した。
○ 遊び心がある講義で、あっというの間の時間だった。
○ 良い人オーラがいっぱいの横澤さんだった。
○ 低予算は今の時代常につきまとう問題なので、面白かった。

*等々たくさんのご意見を頂きました。

【第3夜】 8月24日 伊藤直樹(ワイデン+ケネディ トウキョウ代表)

第3夜は、アサツーディ・ケイ、GTを経てワイデン+ケネディ トウキョウの代表でもあるクラエイティブ・ディレクターの伊藤直樹講師。

最近のカンヌ国際映画祭では、日本人として最多の5つの金賞(GOLD LION)を含む、12のライオンを獲得している映像クリエイター。
そのカンヌで、TVCM部門の金賞受賞の代表作、サガミオリジナル「LOVE DISTANCE」の仕組みから講義は始まった。

「映像とWebのかけ算を目指している。」「青春時代に見たヨーロッパ映画、特にヌーベルバーグの作品の残像を多くストックし、現在はそれをOUT PUTしている。」
「LOVE DISTANCE」のプロモーション・ビデオ解説しながら、その企画から映像づくりの構造を話された。
①薄さ0.02mmのコンドームという生な商品のオリエンを、「恋愛にシフト」して物理的な0.02mmと対極の遠距離恋愛とのダブルミーニングで、企画を考える。
②2人の素人の本当のカップルを出演者に起用し、ドッキリカメラやシネマベリテのような映像環境を作る。それは、広告というフィクションと2人のノンフィクションとその中間という、虚実入り混じる、サンドイッチ構造に。
③オーディオは、セリフ一切なし、坂本龍一作「ひばり」の音楽で映像を心象化した。
④2人の距離を数字で常に表示し、視聴者に違和感をあえて与えながら、遠距離から、0mm、そして0.02mm(商品)に戻す、構造。
⑤ラストカットの2人のシーンは、背景の城と花火にこだわり、カメラも多数使用して、多角的な映像を狙い、盛り上げる。
このように企画から撮影、演出、その環境づくりまでの過程を熱く語られた。
今考えると、仏映画「ポンヌフの恋人」にオマージュされていたのかもと、述懐された。

また、YOU TUBEに流した、バイラルビデオ「NIKE FREERUN」やUEFAチャンピオンズリーグの決勝戦に1回だけON AIRされたNIKEのブランデッド・CMの映像にこめられた「ビジュアル・ランゲージ」を語られた。
そして最後に、次世代TV「GoogleTV」に言及され、これからは「生」で見る必要はなくなり、広告はTVCMとバイラル・ビデオの融合が進化し、映像制作は各々のメディアのスキルと温度が大切であることを強調された。

熱波の夜のクールでホットな第3夜でした。

【受講者のコメント】 (受講者のアンケートから抜粋しました)
○ 「ワイデン」的なものがわかって、勉強になった。
○ 解説、元の考え方、これからのメディアの捉え方がわかり90分が早かった。
○ アイデアの持っていき方やクライアントの要望に自分の思いを通す方法など勉強になった。
○ 将来の方向性に活かせる内容だった。
○ バイラルの重要性を再認識した。
○ ネットを利用して何度も見たくなるようなCMをつくりたい。
○ 世界レベルのものを目指すレベルの高い話だった。
○ 聞きたかったほとんどのことが聞けた。

*等々たくさんのご意見を頂きました。

【第4夜】 8月26日 中島信也(東北新社/CMディレクター)×英勉(東北新社/CMディレクター)

第4夜は、東北新社ナイト。東北新社の中島信也、英勉、2人のCMディレクターのCMから映画までを丁々発止で語るトークショー。

まずは中島ディレクターの自作の音楽に乗せて、26年間の作品のコラージュ映像、『なうなショップで、すてきなショッピング』の鑑賞と「演出とは、映像の最終的な形を作ることである」という演出論でスタート。
最近作、「サントリーウイスキー」、「docomo」、「伊右衛門」、「Cleansui」、「ファイザー製薬」、「BRAVIA」など披露。

ここで、英ディレクター登場。中島さんから当時師弟関係にあって、英さんの才能を認めたのは、とんねるずのTV番組「本汁でしょう」の脚本であったことが紹介された。

英さんの初期作品から現在の作品まで、「ルシード」「99年劇空間」「NTT光ファイバー」「パパママリバティ」「スーパードライ」等が上映され、「当時は、中島さんの作品を常に意識しながら、作品集栄えするものばかりを考えていた。」と語り、中島さんの「矢島美容室」、英さんの「ハンサム☆スーツ」等の映画にも渡って言及された。

「一番得意なものばかりでなく、もう一つ別なものが出来ないと駄目」
「誰に向けて、どんなものつくるかを学んできた」
「出演者を含め、スタッフに機嫌よくやってもらうこと」
「とにかく打席に立て!」
「あらゆるメディアを含め、技術を磨き、選択することがディレクションだ」
「CMは、30秒のリズムを頭に入れる。映画等は、長いものを頭に入れること」

等々、ディレクター極意を語られる。
お互いに質問を出すコーナーでは、
「影響された映像作家は?~黒澤明、旧約聖書のようだ(英)、キューブリックの2001年宇宙の旅(中島)」
「腹の立つことは?~(若手のスタッフは)仕事をしていて"隙間"が多い。一緒になってつくることを考えて欲しい(英)、コミュニケーションしないことが多い(中島)」
「この先は?~リアルなディレクターの世界を何とか生き抜く(中島)、楽しいこと、仕掛けることを続ける(英)」
等々リアルな言葉が飛び交った。
広告主、広告会社、制作会社、当校生を含めた学生の受講生にとって、ジョークたっぷりに、且つ真剣に、東北新社企画演出部の心意気が熱く感じられた第4夜となりました。

【受講者のコメント】 (受講者のアンケートから抜粋しました)
○ 対談形式だからこその内容で、気合をもらった。
○ 頭で考えるだけでは、良いものはつくれないことの大切さを知った。
○ 1回1回目標を立て、制作していきます。
○ 広告業界の生き抜く術を教えてもらった。
○ 生トークらしい、生っぽい話がとても良かった。
○ 2人共、お互いを尊敬し合っている感じが見えた。
○(このセミナーは)様々なジャンルのクリエイターの話が聞けるので、とても参考になり、貴重な体験だ。

*等々たくさんのご意見を頂きました。

【第5夜】 8月30日 山崎隆明(ワトソン・クリック/クリエイティブディレクター・CMプランナー)

ラストナイト第5夜は、『まじめにふざける!~右脳から発信するCM』と題して、 電通関西~ワトソン・クリックを設立された、クリエイティブディレクター/CMプランナーの山崎隆明講師。

広告は「人に対してものを伝える」ことが仕事。広告で立ちどまらせ、見たくない人を振り向かせる工夫が必要。それは、企業の言いたいことに興味を持つように置き換えること。

モットーは、「じゃまくさい」「理屈っぽい」「暗い」「嘘っぽい」ものはつくりたくない。

そこで、山崎流クリエイティブ作法は、「効率の良いCMは、"ことば"が武器になる」 「見た瞬間で感じるCM」「本能的、生理的」に訴えるもの、つまり右脳を刺激するCMを目指す。
「浅くて(根源的で)、スピード早く伝わるCM」。「人と同じことを考え、人と違うことを考える」ことなのだと。氏のKeywordは「行き当り、ばったり」と持論を展開された。

そして、ヒット作品群の解説が始まった。
名作「リクルート/ホットペッパーシリーズ」誕生の秘話は、山崎さんが胃の検診の際、ロビーで流れていた洋画に、若いカップルの関係のない会話が聞こえた。そこで思いつき、画面と関係ないアフレコ遊びをしてみたら・・・ 「俺たちに明日はない」風な、画像に「スパゲッティ食べたやろ」「食べてません」「ケチャップついてる」「・・・食べましたぁ」という、ご自身の声による「電波を私物化して遊ぶ」アフレコシリーズが誕生した。
「モーツァルト」、「リクルート/スヌーピーとカエラ」木村カエラのパ行ジングルは、新幹線の中でデモテープをつくったそうな、と続く。
「広告は商品を誉めてはいけない。ありのままをチャーミングに伝えること」という、「キンチョール」物は、「つまらん!」「別れた妻に似ている」「やらしーわ!」という"ことば"を残し、官能小説風であったり、「骨盤体操」のように、「ギリギリ露悪」を狙った。

木村拓哉出演物、カップヌードル、タマホーム、GATSBYも鑑賞。
また、"ことば"だけではなく"音楽"も武器になる。「細マッチョ、ゴリマッチョ」の「サントリー/プロテインウォーター」、相撲取りが上手に踊る、「日清食品/太麺堂々」。 ジャミロクワイ、GLAY、MISIAのMVの歌詞が商品のジングルに変わる、本歌取り替え歌CMとも言うべき「日清食品/カッヌードル」のシリーズも細かく解説された。

「(現在の複雑なメディア状況の中でも、マス広告の)コミュニケーションは、大勢ではなく、1対1。パーソナルからマスへ展開させる!」と、絶えざるユーモアと明解なトークの細マッチョ容姿で、ゴリマッチョな講義の山崎講師でした 。

【受講者のコメント】 (受講者のアンケートから抜粋しました)
○ すごい親切丁寧、真摯な話に感銘を受けた。
○ 初心に帰ることが出来た。
○ ワンメッセージの特化したつくりは、広告の原点を突いた企画の深さに感心した。
○ 記憶に残っているCMのエピソードがたくさん聞けて良かった。
○ 5日間タイプの違うクリエイターから、これからの人生に役立つメッセージを沢山もらいました。大満足。

*等々たくさんのご意見を頂きました。

「東北新社の映像学校が 夏限定で開く 注目のクリエイターの生トーク。」と題して開催された7年目になる夏季特別短期セミナーは、例年に勝る熱帯夜の中、広告主、広告会社、制作会社、当校の在校生を含めた学生の方々が、延べ250名に及び受講していただき、大拍手の中無事終了いたしました。
来年はまた装いも新たに、クリエイティビティ溢れる、ユニークなセミナーを開催いたします。またのご来校を心よりお待ちしております。


【 『夏限定で開く注目のクリエイターの生トーク。』レポート 】映像編集や広告制作にご興味のあるみなさま
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