映像・広告クリエイター科

2016年 09月 05日

映像ディレクタークラス:特別講義レポート「映像作家:榊原有佑 (株式会社and pictures 所属)」 ―シナリオ・撮影・編集・VFX-映像制作に必要な技能をすべて身につけ、独自の世界観を作り上げる、次世代の映像ディレクターの実践講義―

榊原さんは、愛知県出身。高校の時に将来の進路は?

と聞かれて「映画監督」と答えたそうです。

その時に進路指導の先生は、映画監督って言うのは

北野武みたいにお金持ちがやる仕事ですよ。と言われたらしい。

榊原さんは、卒業後、スポーツをやっていたこともあり、理学療法士になりました。

三重県の国立病院でリハビリなどをする理学療法士。国立なので国家公務員です。

そこで榊原さんは様々な現場を経験することとなりました。

その後、榊原さんは、学生時代の夢を再度追いかけるために、

東京に出てきて映像関係の専門学校に通いだしました。

そこで出会った仲間たちとは、今でも映像制作を共にする仲間であるという言葉を聴き

「学校」の持っている「学ぶ」という以外のもう一つの価値があるんだな!

ということを思い出させてくれました。


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榊原さんは、学校を卒業して、ある映像制作会社に就職します。

そこは、撮影する人、編集する人、プロデュースする人、ディレクションする人、

さらには3DCGを作る人などの様々なプロフェッショナルが集まる制作プロダクションでした。

そこで榊原さんは、いくつもの過酷な現場を経験されたそうです。

厳しかった1年目ですが、先輩のディレクターがダウンして

いきなりディレクター職を任されたり、と短時間で様々なスキルを

徹底的に覚えることが出来たそうです。

その経験を活かし、2年目に友人と会社を設立して制作会社を立ち上げました。

その時は、本当に様々な仕事をやったそうです。

仕事を取ってくるために、まずは自らのデモリールを作りました。

最初は、映像の専門学校の先生に紹介してもらった制作会社や

プロデューサーなどのところに、そのデモリールを持って営業に行ったそうです。

そこから実際の仕事を通じて仕事が拡がっていったそうです。

学校に通っていなかったら、そんな営業活動もできなかったという言葉が印象に残りました。

学生時代に株式会社and picturesの代表伊藤主税さんと知り合っていた榊原さんは、

その後、伊藤さんの会社に誘われます。

学生時代、榊原さんは自ら作った名刺を持ち歩き伊藤さんに名刺を渡しました。

その時、榊原さんは「ツタンカーメンの仮面をかぶった写真付きの名刺」を渡しました。

伊藤さんは、その名刺を見て、榊原さんに強烈な印象を持ったそうです。

そして、2012年から榊原さんは現在所属している制作会社

株式会社and picturesで働き始めます。

映像制作の全部を自分でやるというスタイルを榊原さんはさらに究めていきました。

時にはカチンコを打とうとしている時にお弁当屋さんから出前の連絡があり、

お弁当屋さんにちょっと待ってくださいと言いながらカチンコを打ち、

本番が終わるとお弁当代の精算をするというような、一人何役?

みたいな立場で懸命に働いたそうです。

その時に学んだ企画・演出・制作・プロデュースの知識と経験、

さらには撮影・録音・編集・VFXなどなどの知識と経験が、

その後、多くのスタッフと仕事をする上でも大変役に立っているという話をされていました。

各部署の環境や事情などをすべて知った上で

撮影部や録音部と打合せたりVFX担当と話が出来ることは

無駄なく効率よく作業を進めていくうえで大変役に立ったとおっしゃっていました。

また、当時は、ショートフィルムの映像編集だけを担当することも多く、

その時の編集の経験がその後のシナリオ制作のためになったそうです。

編集をしながら物語の構成やセリフ回し、さらにはカット割りまで

多くのことを客観的な視点で学ぶことができたそうです。

そして、2013年、榊原さんは1本の短編映画を製作します。

題名は「平穏な日々、奇跡の陽」という25分の作品。

このときNHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」が終わったばかりだった

有村架純が奇跡的にキャスティングでき、鳥取県で撮影が行われたそうです。

そして、この映画が「Short Short Film Festival 2014&Asia」の

JAPAN部門というコンペティション部門にノミネートされ、

有村架純がベスト・アクトレス・アワードを受賞したそうです。

こうして最初の映画で榊原さんは華やかなデビューを果たされたのでした。

http://smcstp.com/

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いまでは、企業のCMから、こうした劇映画、

さらには企業の商品をベースにしたショートフィルム、

https://www.youtube.com/watch?v=Cs14SQEex-g

さらにはドキュメンタリー作品まで多くのジャンルの作品を手掛けておられます。

2016年の2月に公開されたサッカーJリーグの「FC東京」に密着取材した

ドキュメンタリー映画「BAILE TOKYO」がバルト9などの劇場で上映されたそうです。

http://baile-tokyo.jp/

 

お話を聴いていて、ここ数年で、撮影機材や録音機材、編集ソフトなどが低価格で高性能になり、

制作環境が身近になって来ました。それらの機材を使って経験を積むことで

技術的な知識を得ることが出来るようになりました。

またスタッフとの協働ワークの際にカメラマンさんや音声さん照明さんや編集マンに

お話を聴くことによりその知識がより深まっていきます。

いまの時代は、そうした技術的なことを知った上で「実際の制作現場で、どうするのか?」を

検証する時代になっているのでしょう。

詳しいことはわからないけど専門の方に任せて!というだけでは

効率的な映像制作が難しい時代と言えるのかも知れません。

そんなときに、私たちの教育事業がそのお手伝いをし、系統だって映像制作の技術と知識を

学ぶことが出来るようにするという意義が大きくなってきているんだなと実感しました。

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制作する映像(劇映画からTV番組ドキュメンタリー、企業VPCM、ミュージックビデオまで)の垣根も

映像制作での役割(プロデューサー、ディレクター、カメラマン、ミキサー、エディター、VFX担当、などなど)

の垣根もシームレスになりつつある今、全体の映像制作のワークフローを知りながら、

より便利に安価に使いやすくなった機材やアプリケーションを駆使して、

次世代型の映像創りの世界が始まっています?

そこには、楽しく無限の可能性が拡がっているのではないでしょうか?

授業を聴いた生徒たちは榊原さんの話に興奮し「何か作ってみたい!」と話し合っていました。

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(映像広告クリエイター科:山下治城)