<a href="/graduate/">卒業生インタビュー</a> 野地さやか

卒業生インタビュー

映画もCMも、編集はやればやるほど奥が深いと思い知らされます

野地さやか

フリー編集者 Avidエディター

1998年度 デジタル基礎クラス(4月)
1998年度 デジタルSFXディレクター養成クラス(10月)
1999年3月 デジタルSFXディレクター養成クラス卒業
1999年4月 映像テクノアカデミア 映像編集研修生を経て、専属Avidエディターとして活躍。
その後、フリー編集者(Avidエディター)
現在、CM編集と映画編集を手掛ける。

主な仕事:劇映画「スマグラー おまえの未来を運べ」「山のあなた~徳市の恋」「ハロー!純一」
TVドラマ:世にも奇妙な物語「水を預かる」、東野圭吾ミステリーズ「シャレードがいっぱい」
他、CM多数。

映像編集の仕事をやることになった、きっかけについて教えてください。


高校3年生の頃、将来は何をしよう?と思っていた時に、映像を仕事にするということも候補に挙がったんです。
きっかけは、ある日TVを観ていて、今までとは違う新鮮な感覚を受けたドラマに出会ったことでした。その時に初めて、映像には創っている人がいると気付き、しかも創り手によって違うものができるんだと感じたんです。
それで、映像を創る側になれたら面白そう、監督などもいいなと思ったのですが、実際にシナリオを書こうとしても書けない!(笑)そこでいろいろと調べてみたら、自分の性格的にもなんとなく編集の仕事がいいのかな?と思うようになったんです。さらに映像編集についての本を読んだら面白かったので、ますます興味を持ちました。



映像テクノアカデミアに入学することになった経緯を教えてください。


まずは放送芸術系の専門学校に通って、編集には「オフライン編集」と「オンライン編集」があるという事を知りました。そして、私が「編集」と言ってイメージしていたのは「オフライン編集」だけど、「オンライン編集」とはどのようなものなのだろう?と興味が湧いたんです。
そこで、ポストプロダクションとして有名なオムニバス・ジャパンへ見学に行ける授業がある学校として、映像テクノアカデミアに通うことにしたのです。アカデミアで色々勉強した結果、自分はオフライン編集者になりたい!と心が決まりました。ただ、当時オンライン編集者の求人はあったのですが、オフライン編集者の求人というものはほぼなくて、実際どうすればオフライン編集という仕事をできるようになるのか分からないという問題がありました。
ちょうどそんな頃にアカデミアで進級面談があり、オフライン編集がやりたいと言ったら、「できるよ」と。その面談をしてくださったのが、元編集者の本間講師だったのです。運命みたいなものでした。急に目の前が明るくなったんです。オフライン編集者として生きる道があると聞いて、嬉しくなりました。
その後アカデミアで映像編集の概論を学びながら、編集研修生としてスタートしました。当時はまずVHSのテープ編集をして、そこで出来が良かったらライトワークス(編集機)で編集して、最後にAvidで編集できるようになっていきました。



野地さんはAvidまで辿り着くのが早かったですね。なかなか進めない人はずっとVHSでやっていましたね(笑)。


正直な所、作品創りをやり終えて、どういう点が褒められたのか分からなかったんです。ただ本当に実習は楽しく、無我夢中でした。



現場でやり始めて十数年が経ちますが、映像編集ってどういうことだと思いますか?


今はまだ言葉で端的に表現できません。
ただ実際に編集をやってみると、思っていたより難しくて、全然自分がうまくなっていないように感じるんです。とにかくやればやるほど奥が深いと思い知らされます。
どうやら続けるという才能はあるみたいで、本当に飽きない。毎日面白いです。



映画編集とCMとの違いはありますか?


まず、長さ(尺)が違うというのは本当に大きいですね。
CMはある程度制約があるので、その中からどうやって編集していくか?というやり方がある程度見えてくるんです。
でも、慣れない映画をやったときは、まず何から手をつけていけばいいのかわからず新鮮でした。



労力のかけ方が違うんでしょうか。


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労力のかけ方は変わらないのですが、体感は変わります。
CMの編集は駆け抜けるという感じで、振り返ることもなくその日その日が終わっていくという感じ。
映画の場合は、「どうしよう、どうしよう」と苦しむことが何日も続く。ただ、その苦しみを通じて経験したことが、自分にフィードバックされる感じがあります。その感覚は良いなと思えたので、今後はどの仕事でも、経験を身にする時間を持つようにしていきたいと思っています。



では、CM編集の面白いところは?


思いがけないカットが意味を占めることがあるんです。うまく説明できないんですが、CMだと短い瞬間のショットを入れることによって面白いことが起きるんです。
生意気な言い方ですが、リズムを崩すことでリズムが生まれることが面白いです。



そうですね、そうした意外性みたいなものは実際に編集しているとありますよね。
では、映像編集者の実際の仕事についてお聞かせください。


監督が何をしたいのか?ということを汲みとった上でやっていきます。よくご一緒させて頂いている監督の場合は、一度つないだものを見て頂いてから、一緒にブラッシュアップしていく形をとっています。
最終的なディレクションは監督のものですが、そこに至るまでに、出来るだけより良い力となれるよう力を尽くすようにしています。
初めての監督でも基本的には同じですが、「一緒に編集する」というのは感覚的な作業でもあるので、それぞれの監督との空気感を掴むまでは、無意識にかなりの気を遣っているかもしれません。



映画編集やその他の編集の仕事の、具体的なお話を伺えませんでしょうか?


今までやった映画編集は3本になりました。石井克人監督の「山のあなた 徳市の恋」と「スマグラー おまえの未来を運べ」、そして2014年2月15日に公開予定の「ハロー!純一」です。「ハロー!純一」は石井克人監督、吉岡篤史監督、川口花乃子監督の共同監督作品です。
私はお芝居の編集が好きなんですね。だからこうした長尺ものはとても面白いです。CM尺だとこの限りでもないですけど。
今は、撮影現場にAvidを持ち込んで編集することも多くなりました。そこで提案したことが採用されたりしたこともあります。



木村大作さん(※映画カメラマン/『劒岳 点の記』の監督なども務める)がアカデミアでの講義で、5本の映画を挙げてこれに匹敵する仕事が出来ればカメラマンを辞めてもいい!というようなことを言っておられていたのを思い出しました。その5本は「アラビアのロレンス」「2001年宇宙の旅」「第三の男」「風と共に去りぬ」「七人の侍」。野地さんにも、そのように印象に残っている映画がありますか?


昨年、小津安二郎監督の「東京物語」を見てびっくりしました。
名作と言われている映画には、いつもリアルタイムではない距離感を感じていたんですが、「東京物語」は普通に「おお!」という感じで、まったく距離感を感じなかったんです。
最近の映画は、画と音の構成がものすごく複雑化しているものが増えてきていると思うんですが、その流れの中でいきなり「東京物語」を見て、「なんでこんなにシンプルなのに伝えられるんだ!」と思ったんです。



2014年2月15日に公開予定の「ハロー!純一」について少し教えてください。


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石井監督の、「世界中の子供たちに映画や映画館を好きになってもらいたい。だから子供たちにプレゼントを贈る気持ちで」という考えのもとに集まったキャスト、スタッフにより作られた映画です。小学生以下無料です(なんと!)。
この映画は、決定稿の前から台本を読ませて頂き、推敲されていく途中で、私が良いなと思っていたエピソードが変更されたことがあったんです。その際「なぜですか?あの部分は好きでした」と意見を言ったんです。最終的に決定稿では復活していました。
編集マンとして、台本を読む力というのは大切なんです。映画を経験して、やっぱり台本は大事だということを改めて感じました。そこからまたCMの現場に戻ってくると、やっぱりコンテ(TVCMの絵コンテ=ここでは演出コンテの意味)は大事だなと思って新鮮に見えます。人になにかを伝えるメディアであるということを、より意識するようになりました。



映画の撮影現場には行かれるんですか?


石井監督は現場Avidが好きなので行きますね。現場を見て、これはこういう意味だったんだとか、俳優さんが実際に演じるのを見て、台本を読んで想像していたより感情豊かなキャラクターだなと思ったりしてます。
台本という言葉の世界から、映像が生まれる瞬間に立ち会うのは、すごく楽しいです。また大切なのは、技術職であっても演出的なことを考えないといけない、ということを現場で感じます。



編集の際、音の構成などについてどのように考えていらっしゃいますか?


私は、編集する時にとても音を大切にしています。特にCMの場合は音の構成によって決まってくることが多いです。
例えば、CMはたくさんの要素を詰め込むことが多いので「間」をどこにもってくるか?というのを意識して編集しています。
また「間」という事で言えば、CMの場合は、見ている人を映像の「間」に引き込む必要がある。もちろん長尺のものでも引き込む必要がありますが、それだけでは駄目で、見ている人がそれぞれ感情移入できて味わう「間」を作れないといけないんだなと感じています。



これから映像編集を志す人にアドバイスをお願いします!


まず編集をやってみるということですね。この仕事はいわゆる技術職なので、最初はある程度学ぶということが必要なんですね。そのためには師匠についたり、学校で学んだりするところから地道に始めるのがいいんじゃないでしょうか? それよりなにより、まず興味をもって好きになることだと思います!





ありがとうございました。益々の活躍を期待しています!


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