映像テクノアカデミア

Techno Voice スタッフが綴る公式ブログ

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【スタッフこぼれ話】映像大好き人間!この指と~まれ!

2013年7月23日 15:58

映画が創られて100年以上経ちますが、記録メディア、映像ソフト、周辺機器等の変化はめざましい。

サイレントからトーキーへ、モノクロからカラーへ、アナログからデジタルへ、フイルムからハードディスクへなど記録メデイアだけでも変化をあげたらきりがないほどだ。
そして、いまやコンピュータ抜きでは映像が創れない時代になっている。
ただ、どんな最新技術や最新機器が登場して来ようが変わらないものがある。
それは「映像作品は見る人をどきどきさせる」ことである。これは、これから100年、200年経とうが変わらないだろう。

 

また、映画創りは感動的な話を描くことは言うまでもないが、その中でも、いつまでも強烈な表情が頭にこびりついて離れないカットを印象づけることも狙いの一つであることは間違いないだろう。

 

そんなカットを、最近、見直す機会のあった映画作品の中からあげてみることにする。


「サラの鍵」--------ナチス占領下のパリでユダヤ人迫害が行われ、収容所につれて行かれるシーンがある。両親と共に姉弟も連れて行かれる所を姉(サラ)が幼い弟を咄嗟に納戸に隠し鍵を閉めて見つからないようにする。収容所に入れられたサラは脱出を図るが、むなしく時間が経ってしまう。脱出したサラは一目散に納戸の所に駆けつけ、鍵を開ける。そこには弟の無残な死体がある(映像では見せない)。

それを目にしたサラの絶望的な表情。-----このカットはいつまでも忘れられない。

 

「ゴッドファーザーPARTⅢ」------ラストに近いシーン。オペラ劇場から帰る階段のところでアル・パチーノ(ドン・マイケル・コルレオーネ)が殺し屋に狙われ、流れ弾が溺愛していた娘・ソフィア・コッポラ(メアリー・コルレオーネ)に当たり死なせてしまう。

この娘を抱きしめて天を仰ぎ、気が狂ったように嘆くアル・パチーノのカット。------これは本当に気が狂ったのかと思える物凄い表情は忘れられない。

 

「ロード・トゥ・パーディション」------カポネ時代でカポネが一度も顔を出さないギャング映画。

親父(ポール・ニューマン)と慕っていたサリヴァ(トム・ハンクス)はある事情で、その息子(ダニエル・クレイグ)に妻子(妻と二男)を殺されてしまう。

それを察知したサリヴァンは家に駆けつけるが、無表情で暗い表情で座っている長男の表情で事態を察し、駆けつけた浴槽の惨状(映像では見せない)を見て後ずさりし壁に寄りかかり、この世の終わりかと思われる放心した悲しみの表情は忘れられない。

 

いままでみた映画で忘れられない衝撃的なカットは数多くあるが、その断片的なカットから絡まった糸がほどけるように全体像が思い浮かんでくることが間々ある。


映画の名作とは十年、二十年、何十年経っても蘇る作品ということができるのではないか。

 

映画って、いいな!  いつも、どうしてこんなにドキドキさせてくれるのだろう!

 

映画は永久に不滅です!

 

映像大好き人間!この指と~まれ!

 

【映像翻訳】映像/広告クリエイター科 担当が、「映画翻訳入門」を読んでみました!

2013年7月10日 10:26

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映像テクノアカデミアに「映像翻訳科」という学科がある。

この学科で教えているのは外国の映画やドラマ、

ドキュメンタリー番組などに字幕をつけたり

日本語版の吹替の翻訳をすることである。

この学科の学科主任である鈴木吉昭講師からこの本をお借りした。

読んでみると映像翻訳者の仕事はとても華やかなようでいて、

なかなか大変で難しいということがよく分かった。

ある意味、映画(動画コンテンツ)のコンテキストを深く理解して

それにもっとも有効な日本語を探してこなければいけない仕事である。

もちろん、原文が、あるのだが、それだけにとらわれていると、

見ている人に日本語でうまく伝えられなくなるという場合もある。

そのときに、どのように省略したり言い換えたりするのかが

字幕翻訳者や吹替翻訳者に求められるのだということがわかった

それは、ある種の創作活動であり、とても難しい作業だ。

また、ある意味では、音楽のアレンジャーの仕事とも似ていると感じた。

高度な専門職である。

先日「10年後にも生き残る仕事」というような本を読んだのだが、

まさにこの映像翻訳という仕事はそこに含まれるんじゃないか?

高度な日本語力が問われ、そして高い専門性があるから

そして同時に、面白いコンテンツに長時間浸っていられるのだから、

「大変で難しい」というハードルを乗り越えれば、

実はとっても素敵な仕事である。

どこでも作業ができ、長く年をとってもできる仕事にもなる。

たとえば、子供をもちながら空き時間で字幕翻訳を

自宅のパソコンで行うとか、土日や夜の時間だけ吹替翻訳を行うとか?

そういった労働スタイルもこれから、出てくるのではないだろうか?

とも感じた。BSやCS放送、CATVなどの普及により多チャンネル化が進み、

そこで放映する映像コンテンツは劇的に増加している。

海外からの番組を、日本語にする作業というのが、

それだけ増えているというのも事実。

映像テクノアカデミアの録音スタジオでも劇映画から、

海外ドラマ、ヒストリー・チャンネルの海外ドキュメンタリーなどの

多様な仕事が入ってくる。

それらの動画を楽しみながら、事実関係などを調べて字幕や

吹替にしていくのはとても楽しくやりがいのある仕事である。

しかも、こうした作業で得た知見や教養が次の仕事に活かされる。

学べば学ぶほど映像翻訳者としての技が上達し、

年をとってそれが積み重なることによってさらに上手に

翻訳ができるようになるのだろう。体力よりも知力。

知力は40代、50代、60代といくにしたがって強くなっていくもの。

やる気さえあれば永く続けられる仕事。

そして、いつも思うのは映画を見てクレジットの最後に出てくるのが

翻訳者の名前であるということ。

これだけでも映像翻訳者ってすごいなあと思うのですが、

みなさんはいかがですか?

【スタッフこぼれ話】アカデミアの「あまちゃん」

2013年7月 8日 10:19

 

NHKの朝の連ドラ「あまちゃん」が巷で流行っている。まだ6月だが今年の流行語大賞を取るのではないかと密かに思っている。会う人会う人に「あまちゃん」の話題を振られるので、先週から録画して観ることにした。

 

実はアカデミアにも「あまちゃん」はいる。

 

でもその「あまちゃん」は海に潜ったりはしない。

もちろん、ウニを捕ってきたりもしない。

その「あまちゃん」は女でもない。

ましてやアイドルを目指してもいないし、なまってもていない。

しかし、その「あまちゃん」は頑張っている。なんとフルタイムで働くのが初めてということで、毎朝、時間より早く出社している。

 

アカデミア事務局は働く人の平均年齢が高い。多分、社内の部署で一番だろう。だが、この「あまちゃん」が入社したお陰で、2位との差が少し縮まったのではないかと思う。まだダントツで1番だとは思うが...。

 

アカデミアの「あまちゃん」は事務局に新しい風を吹かせている。それはドラマの「あまちゃん」と同じ。ドラマも今までの連ドラではやらなかったことどんどん取り入れてる。アカデミアの「あまちゃん」はフットワークも軽い。(そりゃあ唯一の20代だもんね。)

 

時間があったら、アカデミアの「あまちゃん」も見にきてください。目がくりくりとしていて、スリムな男子がいたら、そいつです。親切です。皆さんの役に立とうと一生懸命です。ただ食べ物は与えないでください。若いのに悪玉コレステロール値が高いそうです。その辺りで、アカデミアの事務局スタッフとして合格です!

 

頑張れ、原くん。巨匠と呼ばれるその日まで。

あっ これは「チューボーですよ!」だった。

 

 DCIM0302.JPGのサムネイル画像

 


 

 

 

 

 

頂きました、☆3つ!

 

 

【映像・広告】JAAAクリエイティブ研究会 2013年6月21日@ヤクルトホール

2013年7月 2日 09:53

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毎年、JAAAではクリエイターズオブザイヤー賞を発表している。

受賞者の中から何人かがこうして自らの仕事を発表するのが

このクリエイティブ研究会。

 

この日も4人の広告クリエイターが登壇した。

まずは、中島和哉さん(@アサツー・ディ・ケイ CD)

中島さんの仕事で有名なのは

名古屋にあるファッションビルサンシャインサカエの広告である。

毎年、面白いCMを作っており、

アドフェスト4年連続受賞などの結果につながっている。

通して中島さんの仕事を見せていただいて

この2年ほどの飛躍的な企画とそれに伴う

エグゼキューション(実行)=プロダクションワークの

進化を実感することができた。今後の活躍が楽しみ。

 

つづいて、中村信介さん(@読売広告社)

中村さんのお話を聞いて、これくらいサントリーの

企業文化を理解している方って何人くらいいるのだろう?

という気持ちになった。

サントリーの創業理念から

企業哲学のすべてを理解して

それをきちんとした広告にアウトプットしている手法は

プロの技を感じる。

 

サンアドが「洋酒天国」などを出していたあの時代なら

中村さんは間違いなく彼らと同じメンバーとして

広告を作っていてもおかしくないような印象を受けた。

ということは開高健や山口瞳と肩を並べて

仕事をするということでもある。

そんな昭和のおおらかで豊かなものを

中村さんの仕事から感じた。

サントリーという企業のありかたが

中村さんをさらに成長させているのかもしれない。

サントリーホールのラジオCMがいい。

それを実行する熱意と実行力にも頭が下がる思いだった。

 

3人目は福部明浩さん(@博報堂 クリエイティブディレクター)

京大工学部から博報堂に入社してクリエイティブをされているという

面白い経歴を持つ方。

クノールカップスープの「つけパン」「ひたパン」という

キャンペーンを考えた方でもある。

このキャンペーンは昨年、

ACCのマーケティングエフェクティブネス部門のグランプリを獲得している。

そして、いまオンエアーしている仕事で

みんな知っている代表的なものが

 

「届け、熱量」

 

というコピーで満島ひかりが出演している

「カロリーメイト」のキャンペーン。

立ち上がりのCMで満島ひかりが

中島みゆきの「ファイト」をアカペラで唄う中、

地方の高校3年生が東京に受験を受けにくるまでを描いたもの。

このCMは今年オンエアーされたCMの中でも

傑作の一つに挙げられるだろう。

 

福部さんはADと一緒に制作会社で夜中までへとへとになるまで

働いているときにこの曲をいつも聞いていたという

エピソードが印象的だった。

 

福部さんがおっしゃった

 

「コピーはどこで仕事する?」(Where)

 

というのを考えるのが僕の仕事です!という言葉が残った。

そして、その広告のフレーム以上のものを決めるのは

論理でなく感情である1という根源的なことがわかって

広告作りをしているという話は

多くのクリエイターに響くのではないだろうか?

 

PS:CMでは日テレ60周年記念で流れたものを初めてみて衝撃を受けた!

 

最後にお話しされたのが

伊藤公一さん(@電通 エグゼクティブクリエーティブディレクター)

伊藤さんは今やHondaのコミュニケーション業務を

一手に引き受けておられる。

アカウントマネジメント局の中にいる

クリエイティブディレクターという位置づけ。

それもHondaが電通1社にコミュニケーション課題についてを

お願いすることになったからだとうかがった。

こうした強い絆のパートナーシップをもとに

仕事をされている。

 

ナイキとワイデン&ケネディ、

アップルとTBWAのリー・クロウのような関係。

そこから、Hondaの「負けるもんか」のキャンペーンなどが

生まれてきた。

同時に作られた「試す人になろう。」「面白いから、やる。」の

CMも拝見した。

 

伊藤さんの守備範囲は広い。

新車発売時のコミュニケーション。モデル末期の車種の活性化。

ローカルや女性への攻略。

販売店への集客。企業広告の進化。金利商品開発。

東京モーターショーのディレクションなどなど、

そこで問われるのはHondaらしさということ。

 

伊藤さんの過去の仕事も拝見した。

サッポロビール箱根駅伝用CM。

そのとき伊藤さんがひっかかったクライアントの言葉。

 

「伊藤君、ビール造りは農業なんだよ。」

 

そして、朝日新聞の「ジャーナリスト宣言」

 

ベネッセの勉強することの意味をはっきりさせるための授業

「なんで勉強しなきゃいけないの?」の仕事も面白かった。

全国で自分の将来のことを考える授業3コマが実際に行われたらしい。

 

伊藤さんはある先輩にこういわれたことがあるらしい。

 

「クリエーティブはジャーナリズムだ。」

 

今、その言葉の意味がようやくわかりつつあるという

伊藤さんの言葉は重い。

 

もっと勇気をださなきゃと思わせてくれた研究会だった。

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