映像テクノアカデミア

Techno Voice スタッフが綴る公式ブログ

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【映像・広告】「カンヌライオンズ2013報告会」第2部 ACC主催(@有楽町朝日ホール)

2013年10月 8日 16:59

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休憩を挟んで第2部は

「7人のクリエイターが語る"映像こそ最強のコンテンツ"」

というもの。95分で7人の方々が喋るので各自の持ち時間は10分少々となる。
10分だと何も語れないんじゃないか?と以前は思っていたが
TEDのプレゼンテーションの番組を見るようになって考えが変わった。
10分あれば聴衆を刺激し心の中に残るプレゼンテーションが
できるんだなあとあの番組を見るたびに感心する。
そして、今回もそうだった。さすがの登壇者たちである。
広告会社のクリエイティブディレクターという仕事は
そういう能力が仕事を通じて自然と身に付くのか?
そういうことに秀でている人たちがクリエイティブディレクターになるのか?

まずはじめに、河野俊哉さん(博報堂)が"映像"をインバウンドコンテンツとして語ると題して、
今年のカンヌのトレンドに関しての話。
カンヌの現代史をまず語る。
2008年リーマンショックが起きて
2009年のカンヌは出品も参加者も激減する。
そしてカンヌ事務局はクリエイター以外のターゲットを新たに模索する。
それはマーケッターでありブランドマネージャーでありデジタル関連の人々だったり。
マス広告だけからすべての広告コミュニケーションが
カンヌで扱うジャンルとなる。
そしてついに2011年のカンヌからは「広告」(Advertising)の名前がなくなった。
そして試行錯誤を経て2012年は持続可能性(サステイナブル)
そして2013年は多様性(ダイバーシティ)であると河野さんは語る。
その代表的な例として「dumb ways to die」のキャンペーンが存在した。
このキャンペーン動画は様々なメディアで露出され
ラジオ媒体やそのほかのものにまで大きく拡がっていった。
そういう意味でも「映像こそ最強のコンテンツ」という言葉が
現実性を帯びてきている時代なのかもしれない。

続いてマッキャンエリクソンの溝口俊哉さんが
「dumb ways to die」を作ったメルボルンにある
マッキャンのCDジョン・メスカルさんのお話をレポートされた。
彼が大切にしているポイントはまっとうでシンプル。
外に出ていろんなものを見て、広告について学び続けることであると。
そこから何か新しいものを獲得し続けることだと。
そして広告の仕事はそれに加えてある種の「やんちゃさ」が必要だと
ジョンさんは淡々と語る。

続いて4人のそうそうたるパネラーたちが登場する。
澤本嘉光さん(電通)、北風勝さん(博報堂)野添剛士さん(SIX)
そして中村洋基さん(PARTY)それぞれがカンヌの映像作品の中で
これぞというものを挙げて「映像は最強のコンテンツ」ということを
再確認するという試み。

澤本さんはCM(広告)にはストリーテリングのあるものが好きだとおっしゃって、
自らもそうしたCMをたくさん手がけられている。
澤本さんが選んだのは2012年のカンヌ作品ロンドンの新聞
ガーディアン」誌のCM「3匹のこぶた」が検察に捉えられるという
事件をストリー仕立てで作ったもの。

http://www.youtube.com/watch?v=vDGrfhJH1P4

このフィルムはクラフトも含めて本当に良くできている。
そしてこうしたCMを見ると大きな刺激と勇気を与えてくれるのだ。
そういう意味でもカンヌの秀作には人々を動かすチカラがある。
そして、やはり映像がなしえる到達スピードは速く強い。

北風さんは1999年のカンヌ「independent

http://www.youtube.com/watch?v=j6DP2cXOe1A
これも新聞のTVCM。「don't」で始まる様々なことが
モノクロームの映像でつなげられている知性あふれるCM。

続いて野添さんは、ナイキの「 wright the future」20億円の
制作費をかけて作ったと言われているこのフィルム、
いったいどれくらい多くの人が見たことだろう。

http://www.youtube.com/watch?v=lSggaxXUS8k
いいコンテンツはメディアを超えて拡がっていく。
そうしたことを実感させてくれる映像だった。

野添さんはあらゆるコンテンツは等価に扱われると語る。
ハリウッド映画もTVCMもドラマも・・・・・。
中村さんは、2006年のカンヌフィルムグランプリの
「guiness」進化の逆を逆再生で描いたもの。

http://www.youtube.com/watch?v=rS3_jD_P51k

中村さんはインタラクティブな仕事が多く。
インタラクティブなコンテンツはストーリーは描かない。
ストーリーを作るのはその参加者であると。
どう創るのかという設定までを行うので、
フィルム部門のきちんと完成させるまでの仕事との違いを語っていた。

最後に電通の古川裕也さんが、チタニウム&インテグレイテッドライオンの
審査員を経験された経験を語った。お題は「広告会社の仕事」
そこで古川さんがおっしゃった3つのことは、

1、ゴールを高く設定すること、
2、ブランディングは相対的価値から絶対的な価値にシフトする、
3、課題の前にアイデアを提示すること。

の重要性を説かれていた。1はいわずもがな。
2は、今年のDOVEの例や「dumb ways to die」の
地下鉄の例を挙げ、DOVEは「美しいということはどういうことか?」を
気づかせるための本質的な価値がそこにある。

http://www.youtube.com/watch?v=KzMx-hATKwQ


地下鉄の例に関しては、安全運行というところから拡張して、
無駄死にしないぞ!というブランドの実現できる普遍的な価値を見い出して
クリエイティブワークを行っている。

http://www.youtube.com/watch?v=IJNR2EpS0jw


こうしたアイデアが課題を創造し、
その課題をストリーテリングにして表現するのに
映像メディアほど適したものはないのだ!と古川さんは言い切る。

カンヌの歴史の中でそこで行われていない
新たなことに日々挑戦しつづけることに価値を見い出すという意味でも
カンヌの「志」や世界の広告クリエイターの「志」は
イノベーションに満ち満ちていると言えるのではないだろうか?
なーんてことを古川さんのお話を聴いて考えた。

古川さんのお言葉を借りると
「カンヌの歴史的コンテキストを上書きできるものが受賞する」
ということ。

 

【映像・広告】「カンヌライオンズ2013報告会」第1部 ACC主催(@有楽町朝日ホール)

2013年10月 7日 14:20

f0064203_8363144.jpg

今年の報告会は、

~7人のクリエイターが語る"映像こそ最強のコンテンツ"~

という
タイトルがついている。
昨年の報告会はカンヌライオンズの各部門の日本の審査員が、
そのジャンルの特徴を含めてどれが印象に残ったのか?
という観点から語られた。
いきおい伝統のあるフィルム部門だけを取り上げることだけではなく、
サイバー、アウトドア、プロモ&アクティベーション、デザイン、モバイル
チタニウムライオンなどいくつかの部門が並列的に語られた。
「広告」という言葉が「クリエイティビティ」となり、それら全体を理解するという意味では
とても貴重な報告会だった。

が、この報告会の主催はACCである。TV放送局、広告主、広告会社、CM制作会社
が集まった団体ならではの報告会があるだろうという趣旨のもとに今回のタイトルが決まり、
それに沿った形で報告会が行われた。

最初のスピーチから最後に至るまでの進行を務められたのが
今年のフィルム部門の審査員を務められた鏡明さん。
鏡さんは個人的にSF本の書評家としての顔ももっている。
僕が最初に鏡明の名前を知ったのは「本の雑誌」の中で、
鏡さんが読んだSF本の書評のコラムの連載だった。

鏡さんはまずフィルム部門で印象に残ったものとして
3000本の中からグランプリを獲得した
「Dumb ways to die」

http://www.youtube.com/watch?v=IJNR2EpS0jw

の180秒のメルボルンの地下鉄の動画コンテンツ


「Beauty inside」という合計2時間半となるTOSHIBAの
インターネットムービーの紹介から始まり、
鏡さんが気になるキャンペーンをたくさん紹介していただいた。

http://www.youtube.com/watch?v=3GdWUjG72sk

今年からカンヌも予備審査というものが出来、
インターネット上で1人約700本のフィルムを延々と自宅や会社のPCを通じて
見続けるところから審査が始まったらしい。
そして3000本が2000本に絞られ、
さらにカンヌにてロングリストとして380本が残り
ショートリストとして280本が選ばれる。
この時点でようやくWEB上でリストが発表される。
そこからBRONZ,SILVER,GOLD,GRANDPRIXが選出されるらしい。

まず最初に鏡さんに見せていただいたのがショートリストにも
もれてしまったフィルム。フィルムの題名を忘れてしまいました。
鏡さんはこれをとても評価されていたのだが、実は以前に作られた
ラジオCMか何かのリメイクであるということがわかり、
歴史的な文脈を大切にするカンヌにおいてはいかに完成度が高くても
受賞に値しないということでショートリストにも入らなかったらしい。
オリジナリティということを大切にするという基本姿勢がここにはあるのだなと思った。

続いてGOLDの「Carton Draft」のビールのCM、

http://www.youtube.com/watch?v=oo5zwV6_yVs
ビールを持った強盗犯が警官に追われるのだが、
ビールを飲むので車を運転しての

カーチェイスを排除した追っかけっこにしたもの。

またクラフト部門でグランプリを獲得した
チャンネル4のパラリンピックをテーマにしたCMが素晴らしい。

http://www.youtube.com/watch?v=kKTamH__xuQ

ああいった撮影や映像編集がきちんとされたものを見ると刺激を受ける。
クラフト部門とは仕上がり全体を含めたものを評価する部門であり
制作会社にいる人はその仕上がりの良さを見て
現在の世界のレベルを確認することができる。

最後に鏡さんは「for the future」と題して未来へ向けての提言をされた。
そのためには世の中における「本当の課題」を見つけてそのための解決策を提示すること。
クリエイティブ・ブリーフを飛び越えてそうした問題を掘り起こすことが
本質的な意味でのインサイトを発掘することであると。
それを発見するためには、常にこれでいいのか?と疑い続け、
新たなことにトライし続けながら現状に満足しないで
世の中の流れを見続けること。

この気持ちを常に持ち続けることが大切だ!というお話をされた。

【映像・広告】映像翻訳科 卒業生 木村佳名子さんの字幕翻訳「あの頃、君を追いかけた」2011年台湾(@新宿武蔵野館)

2013年9月24日 10:50

ae449e31c21225f5901d220d29addbab.jpg本作を見ることになったきっかけは、
ある日、映像テクノアカデミアの事務局に映像翻訳科の卒業生であり
現在、字幕翻訳の仕事をしている木村佳名子さんが訪ねて来てくれたから。
木村さんが自分が翻訳した映画がもうすぐ新宿で上映されるということで
わざわざお知らせに来てくれたのだった。
面白い映画を翻訳して字幕に紡いでいくという作業は
大変だけどやりがいのある仕事だろう。
しかも、その仕事が映画の原版が残る限りの残り続ける。
映画のエンドロールの最後に、「翻訳 木村佳名子」とクレジットが出る。
本作はエンドロールにも工夫があり、最後まで楽しく見ることができた。

ところで、韓国映画の「建築学概論」という映画は、独特の甘い恋愛映画で話題になったらしい。
この映画もその「建築学概論」や「サニー 永遠の仲間たち」と同じような系統に
属する映画だそう。1994年から2005年までの約10年間を描いている。
台湾の16歳から社会人までの約10年間。
「青春!」という言葉がまさに「青春」だったころの青春映画である。

こうした「青春!」を描いた
映画やドラマが日本では少なくなってきたなあ!と思う。
純愛ものもしかり?
そうしたものをいまも描いているのは台湾や韓国なんだろうか?
韓流や華流にはまるというのはそうしたことも一つの原因なのでは?
日本が失ってしまいつつあるものがその中には確かにあるのかもしれない。

この映画は「切なさ」ということを描いた映画なんじゃないか?
映画を見終わったときの感想がそこに集約された。

「切なさ」

という感情って東アジア圏以外の人は、もっているのだろうか?
悲しみとあきらめとがないまぜになった甘酸っぱいもの。
ある種の諦観を含めた愛情の中にその「切なさ」がある。

高校3年生の18歳の同級生たち。
日本の高校生よりも幼い感じがするのはお国柄だろうか?
中高一貫の台湾の地方の街の進学校。
ここで勉強をやらず日々を過ごしている男の子と真面目で美人のヒロインの女の子の恋物語を中心に話が進んでいく。
ヒロインの女の子がいろいろな見え方をする。
吉高由里子や石原さとみ
そして以前の女優だと水野美紀や横山めぐみを思い出す。

やさしい顔をしたヒロインがキツメの優等生のキャラを演じる。 そういうキャラだからこそ彼女が崩れて自信を喪失してしまうシーンなどが魅力的に見えてくる。
一方の男の子は、山本太郎に似ている。
山本太郎が高校時代ダンス選手権で「メロリンQ!」などというギャグをやっていた頃の山本太郎とダブって見えてくるのだった。

そうして彼らは高校時代の思い出を持ちながらそれぞれの道を歩んでいく。
自己の原点が高校生活にあるという人は、
いまの日本にもたくさんいるのではないだろうか?
40台の後半になると高校や中学の同窓会が頻繁に行われるようになるらしい
。 その思いでを引きずりつつかなわなかった想いを持ちながら生きていくというところに

「切なさ」

を見てしまうのだろう。
前半は、典型的なラブコメ的なトレンディドラマか?と心配したが、
後半になるにしたがって状況の葛藤から生まれてくる

その「切なさ」にやられる。

胸の奥がきゅんきゅんとなるストレートな映画でした。

【映像・広告】「信也のまんま 2」資生堂 岡本善勝さんと中島信也の対談レポート!

2013年8月23日 10:52

IMG_7151 OK WEB用.jpg 

 

「信也のまんま」今年最後のゲストは資生堂の 岡本善勝さん。

岡本さんは福岡の久留米のお生まれ。実家は京都の呉服商です。

大学を選ぶときに美術系か工学系に行こうか迷っていると、

自宅から通える九州芸工大(現 九州大学 芸術学部)の存在を

美術の先生から教えてもらったそうです。

その大学の授業の中で当時、資生堂の宣伝部長だった

中村誠さんの集中講義があり、広告業界と資生堂に魅力を感じられ、

めでたく1980年に資生堂宣伝部に入社されました。

それからデザイナーとして働きはじめられ

セルジュ・ルタンスと同じパリオフィスに駐在して

海外向けの広告をセルジュ・ルタンスとともに手がけられました。

その後、ブランドのクリエイティブディレクターとなり、

化粧惑星、マジョリカマジョルカ、HAKUなどのブランドを担当されました。

中島信也ディレクターとの出会いは資生堂宣伝部の

奇人と呼ばれている八村邦夫、石塚靖男の紹介だったそうです。

その後岡本さんはACCの審査員をおやりになります。

1999年から2002年。

このとき中島信也ディレクターと一緒に何日も審査をすることで親しくなられ、

一緒にする仕事も増えていったようです。

二人が一緒にやった仕事でいちばん好きなCMを岡本さんに選んでいただきました。

ひとつは熊木杏里が歌い、マイコが演じる、

資生堂企業CM「新しいわたしになって」

というものでした。歌詞を中島信也が書き自ら企画・演出したもの。

中島ディレクターはこの企画を東北芸工大に向かう新幹線の中で思いついたそうです。

「本日わたしは、ふられました、わかっちゃいたけど、無理めだと...。」

 

という言葉がふっと降りてきたそうです。

 

このフィルムは今もとても素晴らしく

何度も何度も見てみたいという気になるものでした。

 

そして、もう一つが「化粧惑星」この立ち上がりの

 

シリーズも今見てもチカラがあり

 

特に工藤静香の「びつくりしました」と

 

「つ」を強調する手法はとても印象に残っています。

 

また、岡本さんが手がけられたブランド、

マジョリカマジョルカのTVCMや

セルジュ・ルタンスとともにつくったインウイのCMを見ることができました。

 

震災後1年後に放送された、

被災された方々にエールを送るという意味を込めて

震災の翌年201248日、資生堂の140周年の事業として

「化粧のちから」のTVCMが作られました。

演出をしたのは中島信也ディレクターです。

蒼井優が出演しているこのCMには

実際に被災された方々の写真が使われています。

 

どんな状況になってもお化粧をしたい、きれいでいたい

ということは

善く生きようとすることだ!

 

というメッセージが強く伝わってくるCMでした。

 

また、この日番外編として岡本さんの先輩がおつくりになった

「資生堂オーデコロン モア」のCMを見ました。

パラゴンの創設者でありカメラマンの横須賀功光さんの仕事です。

これを見た中島ディレクターがあの時代の実験精神にあふれるCMを見て、

なかなかええですねえ!と感心していました。

 

また、お二人の出身が九州は福岡の久留米と八女ということもあり、

印象に残った他社のCMとして

「九州新幹線全線開業」のフルバージョンを見せていただきました。

このCMも2011年、3・11とちょうど同じ時期に放送され

3・12開業ということだったのですが

震災の影響で放送が中止になってしまい、

その後ユーチューブなどで爆発的にヒットしたという

伝説的なCMとなりました。

 

岡本さんが最後にこの仕事についてを語ります。

良く先輩に言われたのが、天才でなくてもいいが

天才とつきあえなくちゃいけない。

というもの。

特に資生堂宣伝部は直接、CM制作会社と一緒に仕事をしてきたという伝統があり、

宣伝担当がCMディレクターたちとガチンコで向き合いながら

CMを創ることが求められてきました。

クリエイターと面と向かって

コミュニケーションをとっていくという経験を

通じてさらに大きな人間に成長していくのでしょう。

それを実行してきた伝統的な文化みたいなものが

資生堂の宣伝部にはあるのだと思います。

 

中島ディレクターの言葉に

 

「創造力」と「想像力」が大切なんだ!

 

というものがあります。

特に後の「想像力」とは

お客様はどう思うのだろうか?

スタッフはどう思うのか?

という思いやりの気持ちを持ち深く考え続けようという言葉です。

これは簡単ではありません。

そしてお客様に媚びるということでもありません。

 

考え抜くということを通じて人のキモチに寄り添うことが

出来なければクリエイティブではないという言葉は

会場のみんなの心の中に響いたことでしょう。

 

岡本さんは、現在CSR環境企画室というところに在籍され、

企業と社会をいかにして持続可能(サステイナブル)にしていくのか?

ということを考え続けていらっしゃいます。

 

言い換えると、地球と人間とそれに関する企業は

どこに向かっていけばいいのか?というようなこと。

 

それは、わたしたちのライフスタイルを変えるようなことであり

その提案がこれからの企業には求められるのだ、

というお言葉をうかがいました。

 

そうして、あたたかい熱気に包まれたまま、

三夜続いた「信也のまんま」は終わりました。

 

また、来年もやりたいと思いますので、

みなさん是非、見にいらしてください。

【映像・広告】「信也のまんま 2」すかいらーく ジョン・キムさんと中島信也の対談レポート!

2013年8月22日 14:42

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「信也のまんま」今年の2回目は、

すかいらーくのマーケティング執行役員のジョン・キムさん。

ジョンさんは、2012年に韓国のマクドナルドから、すかいらーくに。

ジョンさんがすかいらーくグループの

広告コミュニケーションの責任者であり、

ジョンさんがOKならばそのままOKということになるという。

日本の企業に良くある上申してお伺いを立て、

さらに合議制で決めていくというスタイルとは真逆にあります。

それだけに決断が早く、そこにはジョンさんという人の

個性や考え方も反映されることになります。

実際にジョンさんがすかいらーくに来てからの

広告コミュニケーションは大きく変わったらしい。

 

ジョンさんが2012年から始めたキャンペーンは

電通の田島CDのチームが中心となってプランニングが行われています。

そしてその演出を行っているのが「信也のまんま」のホストである、中島信也。

 

最初、ジョンさんは中島ディレクターのことを知らなかったのですが、

ショウリールを見、カップヌードルの「HUNGRY」の

キャンペーンをやっていると知り、とても喜ばれたそうです。

言葉がなくても通用するシンプルで力強いコミュニケーション。

ああいう仕事は長く残り多くの人に伝わるんだなと改めて思いました。

 

この日は、カップヌードル特別版として

過去のカップヌードル「HUNGRY」シリーズを

10分程度にまとめたものを見ることができました。

 

ジョンさんがこの日おっしゃっていた言葉で

みんなの中に残ったのが

 

confidence(自信)」

 

というもの。

 

自信をもってクリエイティブを創るという

矜持みたいなものが必要であると何度もおっしゃっていました。

その言葉について中島ディレクターがさらに突っ込んで質問すると、

confidence(自信)は、

きちんとしたtalent(才能)とexperience(経験)が組み合わさって生まれるものだ!

とジョンさんは語ります。

才能だけでも経験だけでもなく、

その二つがきちんと掛け算されてその合計が

自信の大きさにつながるという言葉は、

広告コミュニケーションの仕事を超えて

人間的な魅力に満ち溢れたものでした。

 

田島CDが、「ガスト」のCMの仕事がきっかけで、

こうした対談が実現できたことをとても喜んでおられました。

 

またアンケートの中で、ある女性PM(プロダクションマネージャー)の言葉が

とても印象に残りました。

彼女自身、大学で授業が面白いと思ったことはなかったらしいのです。

大学卒業後、こうして学ぶという体験が数年ぶりにできました。

今回のこの話を聞いて、学ぶということの面白さを再発見されたそうです。

そして、CM制作会社に入社した時の、

CM創りで人の気持ちを動かしたいという

初心に戻れたのがとてもよかったという言葉を聞き、

とても嬉しい気持ちになりました。

 

また、ジョンさんが語る広告とアートとの関係についても

とても興味深いものでした。

広告とアートはとても似ている。

似ているが広告はそのあと商品やブランドを売り、

アートはアートそのものを売る、

違いは実はそこだけなんだという考えにとても魅かれました。

 

ジョンさんはもともと大学で哲学を学んでおられたので

こうして本質に立ち返って物事を考えるということを

実行されてる方なんだなということがよーくわかりました。

 

ナイスガイのジョンさんとむちゃむちゃ面白トークの中島信也との対談。

通訳の渡辺さんの協力もあり、とても内容の濃い90分となりました。

 

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