映像翻訳科

2015年 06月 05日

授業レポート:「吹替翻訳の授業の中身②」

研修クラス 吹替の授業のレポート2回目です。

今日の授業のメインは翌々週に行う「アフレコ実習」で使用する「吹替原稿」の作成です。
しかし、川又講師は「原稿は家で翻訳して、ワープロ打ちして、来週、提出してください。今日の授業では、それに向けて、『しっかりした尺合わせ』の練習をします。」と言って授業が始まりました。

川又勝利講師プロフィール:
劇場字幕翻訳で最近手掛けた作品は、今年の夏8月15日に東北新社配給で公開される「ふたつの名前を持つ少年」。テレビシリーズでは「メンタリスト」(字幕)、「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」(吹替)、「ゲーム・オブ・スローンズ」(字幕・吹替)を担当。映像テクノアカデミア出身。現在、東北新社 外画制作事業部 翻訳室勤務。

IMG_1567.JPG 今日の授業、どうなるのだろう?予想に反してまったく動じない学生たち。それもそのはず。川又講師とは入門クラスからの付き合いのメンバーだ。

「本日扱う作品を観たことない人?」という川又講師の質問にぱらぱらと手が挙がる。
全体的なストーリーと、翻訳するシーンについて分かりやすく解説した後、「網掛けした箇所を13時45分までに翻訳してください。後で、前に出て、その原稿でアフレコしてもらいたいと思います」

前に出てアフレコ? そんなことを言われても、おとなしいタイプが多い翻訳科の学生たち。みんな何をするのか分かっているのかな?

黙々と翻訳をする学生たち。 前回の授業でも佐藤講師に再三言われていたが、尺合わせは声をだしてやらないといけないはず。
時間が進むと、少しずつ、あちらこちらで声が出てくる。でも全員が声を出して、尺合わせをしている様子ではない。さてその差が、後に、どう影響してくるのだろう。

25分後、一番前に座っている学生が指され、アフレコが始まる。
アフレコが終わると、「ここは短い」「ここは長い」など、細かい指示がでる。
1人終わると、次の人。川又講師は主人公以外の人の役をアフレコで演じながら、学生の翻訳のチェックをしている。

さすが川又講師!

2人目、「ここの長セリフ、全体的には長さが合っているけど、この中のそれぞれの長さが合ってない」

3人目、「このポイントから突然、早口になっている。ここはもう1文字ぐらい入る」

4人目、「あまりにも棒読み。声優じゃないから、難しいかもしれないけど、声優さんは感情を込めるので、尺合わせの段階から、感情を込めて声を出して、翻訳するように」

5人目、「滑舌よく、もっと早く読む。声優さんは、もっと早いスピードで台本を読むから、それに合う尺の原稿を作るためには、尺合わせの段階で、声優さんのスピードで読む必要がある」

IMG_1569.JPG 確かに、一人一人、できている箇所とできていない箇所は違う。実際に音に合わせて読んでみないと、尺に合っているか、画に合っているか、分からない。

その後も一人一人と、アフレコをして、それぞれにアドバイスを与えていく川又講師。
「誰に向かって喋っているセリフなのかを意識して、尺合わせをする」
「役の年齢に合った感じのセリフを作るには、自分もその役の年齢のつもりで尺合わせをする」
「実際のアフレコではディレクターはこう感じるから、このポイントに気をつける」

まだまだ続く。

字幕翻訳と違い、吹替翻訳は人の喋る「セリフ」を作る作業。その役に成りきってセリフを考えないと、役に合ったセリフは作れないのです。

みんな、どんなセリフを作ってくるのだろう。翌々週の「アフレコ実習」の授業が楽しみだ。