映像テクノアカデミア

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【映像・広告】「2011 ADC展」(@ggg&クリエイションギャラリーG8)

2011年7月21日 21:05

今年のADCの新聞広告は、坂本九が登場していました。

6階E教室に貼ってあります。

今年のADCのグランプリは、

サントリーホールディングスの震災後の企業ブランド広告でした。

サントリーで契約されている全てのタレント?が出演して、

歌をリレーするというものです。

その歌が、坂本九の「上を向いてあるこう」と「見上げてごらん夜の星を」でした。

 

震災の当日の深夜、東京の地下鉄が動きだし大混雑の中の帰宅でした。

大混雑で大変な状況だったのにかかわらず、

大声で文句をいったりする人はいませんでした。

また、乗客同士でもめごとが起きることもなく、

みな協力してお互いの出来ることをやりながら、

相手のことを思いやりながら、長時間の混雑に耐えていました。

地下鉄の職員は淡々と終夜運転をこなし、徹夜して電車を走らせてくれました。

それに対して、静かな感謝のこころを持ちました。

と、同時に、

みんな、自分には、何が出来るのだろうと考えていたと思います。

そんな311日だった。

携帯の音声通話は通じず、可能な連絡可能手段は、

携帯メールとツイッターなどでした。

 

地震発生から数時間経つと

次々といろいろな情報がツイッターなどで発信され、拡散されていました。

都営地下鉄が動きだすという情報を知ったのも、

猪瀬直樹(東京都副知事)がつぶやいた、ツイッターの拡散でした。

TVでその情報が出るのはそれからしばらく経ってからでした。

 

ツイッターを見ていると、勇気を与えてくれる言葉をたくさん見ました。

その言葉は、「PRAY FOR JAPAN ‐311世界中が祈りはじめた日‐」(@講談社)

という本になって出版されました。

その中で、

「震災で真っ暗になった町の空を見上げると満点の星が拡がっているのが見える。」

というような意味の言葉が書かれていました。

 

そして、このサントリーのTVCMを初めて見た時に、

すぐに「pray for Japan」のその言葉を思い出しました。

震災後すぐに制作作業が行われたのでしょう。

その速さにも同時に驚くばかりでした。

 

ADCの新聞広告で、このCMのことを「広告」と言えるのだろうか?

と自問していました。

 

そして、あの日を境に「広告」というものの概念が大きく変わっていくのかもしれないな。

とも思いました。

 

 ADCの別の受賞作にJR九州の「九州新幹線 祝!九州縦断ウェーブ」のTVCMがあります。

このTVCMは震災の数日前からオンエアーが始まったのですが、

震災後オンエアーが中止となりました。

このCMを見た人がユーチューブなどで

このCMをアップしていたそうです。

それを東北の人たちが見て勇気づけられ、ネットで話題になりました。

それを見た放送局が取材をし、震災後の報道番組の

大きなコーナーとして放送されました。

たまたま、自宅待機中で放送を見ました。

そして、九州中の人が本当に新幹線の走行に合わせて、

線路際に集まっている事実を見て

人が自然と集まってくるチカラに感動しました。

このプロジェクトは、先日DVD化され発売された。

6月にあったカンヌクリエイティブフェスティバルでも

金賞以下複数受賞を果たしました。

その他には、ドコモの渡辺謙が携帯となって擬人化される

キャンペーンなどが受賞していました。

 

ADC賞のいいのは、こういったメジャーな作品以外の

素敵な作品にも、きちんと賞が与えられることです。

トマトジュースの缶のデザインやオルファカッタ―で造った立体作品、

展示会のディスプレイ、などなど。

プロダクトデザインからもはや現代アート作品と言えるものまで。

貴重な体験が出来ます。

しかも入場無料。728日までやってます。

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