映像テクノアカデミア

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【映像・広告】制作現場の「今昔物語」

2014年1月22日 15:57

昔、CMの制作現場に映画畑の人達が闊歩していた時期があった。
斬新な映像、奇抜な映像を追求して工夫を凝らし、力のある映像を茶の間に届けたり、役者が演じる芝居の妙で場面に引きつけたり、映画の現場経験者が短い秒数(昔は60秒CMが主流を占めていた時期があった)に思いのままをぶっつけて、ある意味では実験的な要素を投げかけていたように思えた。
語弊があるかもしれないが、その時期には、広告主、広告会社の人たちは撮影現場にまで意見を出すことが少なかったように思う。そして、映画撮影現場経験のないCM制作に関わっているスタッフにとっては、その人たちに強引に引っ張られ、映画人の気概などを含めて多くのことを勉強させてもらっていた。

その後は、コピーライターが市民権を得たこともあり、CM制作もCM育ちでCM創りをやっている人たちが主流を占めていった。(もちろん、昔から広告作りに専念していたすごい人は多くいた)
そして、広告表現においても時代背景を象徴した、"モーレツからビューテイフルへ"のコピーに代表されるように変化を遂げていくことになった。

そのうちに、CM作家から映画監督になる人が登場してくる。
主な人には、故市川準さん、中島哲也さん、東北新社CM企画演出部出身の石井克人さん、とまだまだ他に多くの人たちが映画を撮るようになった。
CMで活躍し、多くの素晴らしい作品を手掛けている人たちも、いずれ映画を撮りたい欲求に駆られるようだ。


Untitled-Sequence.01.jpg
記録メデイアにおいても、いまではコンピューター抜きでは映像作品を作れない時代になっているが、そんなに昔のことではないが、映画の世界は、フイルムで撮影し、フイルムで編集し、フイルムで上映する、一気通貫で作品を作り上げていた。それが、撮影機、編集機器、映画上映においてデジタル化が急速に進み、フイルムだけで行う作業は狭まってきている。

デジタル化は、スピード、効率化、情報量、画質、の向上をもたらし、便利さを増している。

だが、どんなに新技術、新兵器が登場している中でも、昔から良い映画の条件としては、「スジ、ヌケ、ドウサ」と言われている。

・スジは、シナリオが優れている。
・ヌケは、映像に力があり、美しい。
・ドウサは、役者の魅力・演技が光っている。

そして、いろんな映像制作のジャンルにおいて、昔から、これからも変わらないものがある。
それは、"映像作品を見てくれる人をドキドキさせる"ことではないだろうか。

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