映像テクノアカデミア

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【映像・広告】「第10回ACC CMシンポジウム」レポート!

2013年12月17日 10:43

PC100817.JPGPC100816.JPG

「-今あえてCM原理主義-」と題されたシンポジウムが

イイノホールで行われました。


司会は東北新社CMディレクター中島信也とフジテレビアナウンサー戸部洋子。

2時間半近くの中身の濃いシンポジウムとなりました。

パネラーは広告主から2名、クリエイティブディレクターが2名。

トヨタマーケティングジャパンの土橋代幸さん。そしてサントリーの和田龍夫さん。


和田さんは真っ赤なメガネがとても似合っており、「あまちゃん」に登場した

古田新太演じる「太巻プロデューサー」にとても良く似ていました。


そして、TUGBOATを率いている岡康道さん。


4人目はTBWA\HAKUHODOの佐藤カズ―さん。


みなさんから、実際に担当されたCMを中心とした動画などを拝見し、

今現在のビビッドなSIGOTONO を伺いました。


特に、岡さんの話が印象に残りました。

 岡さんは今年、小説「夏の果て」(@小学館)をはじめ

エッセイ集や広告に関する本など3冊を出版されました。

その岡さんが、こうした出版の表現だけでは

飯が食えないと言っておられ

表現の仕事で飯が食えるのは広告CMの仕事しかないと。


これは、表現を仕事にしたいと思う多くの人に

届く言葉なんじゃないでしょうか?

 

 

シンポジウムの中では近年TVCMのオンエアーの中心だった

15秒CMが、

時代が一巡して、数十年前まで多く流れていた60秒などの

長尺もののCMなどが

もう一度見直されてきているという話が記憶に残っています。

60秒CMを企画し、生活者に向けて語るためには

15秒CMによくある一発芸だけでは成立しません。

ある構成や物語性みたいなものが、求められてきます。

そういう意味では創作の力が今以上に求められてくる

時代になってきたのではないでしょうか?

 

 

また、現在はいろんな場所で表現する機会が増え、

そのためのツールも簡単に入手でき安価に

映像制作が出来るようにもなって来ています。

このテクノロジーの進化はいろんな意味でのシームレス化を

進めているように思えます。

企画とコンテンツ制作とイベントなどのシームレス化、

ブランド構築のやり方のシームレス化、

さらには、オフライン編集とオンライン編集のシームレス化、

パソコンとスーパーコンピュータ―などのシームレス化、などなど。

デジタルという情報の信号をどのように扱っていくのか

という方法が違うだけで、そのデジタル情報の処理を

どのようにやっていくのかというだけの時代に突入しています。

 

そんな今だからこそ、表現の世界は多様化が進み

 

アートと広告などの境界自体も

シームレス化してきているように思えます。

 

どちらにしても現在のテクノロジーを利用し、

見ている人たちの気持ちを動かす表現を創りつづけることが

広告やCMプランナーの基本であり

それは変わらないのだということを確信した

シンポジウムでもありました。

 

【映像・広告】「ACC学生コンクール 授賞式レポート」(@イイノホール 2013年12月6日)

2013年12月10日 12:40

IMG_7379 OK.jpg

20131261245分から霞ヶ関のイイノホールにて、

2013年ACC 学生CMコンクールの受賞者の贈賞式が行われました。

映像テクノアカデミアでは、今年、4名が受賞。

テレビCM部門が、大賞、金賞、銅賞の三賞。

ラジオCM部門が奨励賞という結果でした。こ

の日は、映像テクノアカデミア受講生の3名が出席しました。

木下一郎審査委員長(電通)から表彰状と副賞、

そして大賞受賞者にはトロフィーが贈られました。

テレビCM部門で大賞を受賞した山路晃平さんから、

多くの広告関係者の前での受賞のスピーチが行われました。

山路さんは、広告業界を目指しており、

こうした賞を励みに広告の世界で働けるようになります、

なってみせます。と、ACCのTV部門のグランプリの

ナイキのCMで選手宣誓をした高校球児のような

スピーチを披露してくれました。

山路さんはこれから高校球児でなく広告球児、

いや、広告クリエイターとして大きく羽ばたいてくれることでしょう。

受賞者は贈賞式の後、そのまま会場でACC CMシンポジウムの

講演を聞きました。

この日の夜はお祝いの会が催され、イイノホールには石井講師が、

お祝いの会には高田講師、水原講師も駆けつけてくれて

みんなで受賞のお祝いをしました。

【映像・広告】Inter Bee 2013 レポート

2013年11月20日 13:44

今年も国際放送機器展いわゆる「「Inter BEE」と呼ばれるイベントが行われた。
放送局を中心とするTVメディア関係の人、そこに携わる撮影、編集、MA
そして放送ネットワークの構築などを行うすべてのジャンルの会社が集まる
年に1回のイベントである。11月13日から15日までの3日間。
多くの人がここ、幕張メッセに集まってくる。
各企業はそれぞれのブースを出し、そこで製品の紹介や製品を使った
事例などの紹介を行う。
放送や映像関係者はそれを見聞きし、今後の仕事に活かそうとする
という貴重なイベントである。
放送局はメッセと局の間に巡回バスを運行させているのを知って驚いた。
inter bee2013-1.jpg 今年の特徴としてやはり「4K」映像ということが挙げられるだろう。
来年のワールドカップの放送で4K放送が開始される予定であり、
政府は7年後の「東京オリンピック2020」では、8K放送を行いたいということすら言われている。
これ以上高画質になってどうするの?
ということとともにスポーツ中継と高画質の放送の親和性は高い。
サッカーなどは引き画で見ていてどこにボールがあって
どんな選手が動いているのか?を俯瞰してみることができて
効果的なのは高画質の映像だからこそというのもある。

家電メーカーも4K対応のモニターを発売し始め、
カメラや編集機器もそれに対応してきている。
それの普及を後押しするのが安価でハイスペックのPCなどの開発だろう。
12月に発売予定のマックプロなどは
まさにそうした時代を睨んだ製品である。
マックプロはスーパーコンピューター並みの性能をもっているらしい。
会場はかなり広いのでセミナーなどを聴いたりするのならば
半日はかかると思って行った方がいいだろう。

僕が参加したセミナーは3つ。
最初にキャノンさんのブースで「中野裕之 監督」が自ら4Kで撮影した
音楽ドキュメンタリーのお話を聴いた。中野さんは自ら撮影もされた、
カメラはイオス1DーCのシネマで撮影をされた。
実際に撮影したカメラを前にお話をされた。
h海外に簡単にもっていけ、大きくないのでスナップを撮影している感覚なので、
撮影をとがめられることも少ない、
そしてそのカメラで4K動画が撮れるという凄さ。
現在の2KのHD解像度ならば4K画質の画面を自由にトリミングすることもできるというのもいい。inter bee2013-2.jpg
続いてAUTODESK社のブースで「太陽企画のSMOKEforMAC」の導入事例を伺う。
太陽企画のオフラインエディターたちがAVID編集の先を見据えて
いち早くSMOKEforMACを導入してオフラインからオンラインでなく
オフライン+オンライン という道を模索している過程についてリアルにお話をしてくれた。
SMOKEにはアビッドエディター向けとファイナルカットエディター向けの仕様などが
用意されておりショートカットキーなどが共用できるようになっている。
そしてAUTODESK社が得意とするマスク抜き(キーイング)やトラッキング機能
その他のエフェクトなどを利用しながら高機能な合成作業などが出来てしまう
これをパソコンベースの部屋で行えてしまうというのは
現在のポストプロダクションにとっては脅威でもあるだろうし
才能のあるコンポジターたちにとっては大きなチャンスでもある。
こうしたお話を聴いているとこれからますます技術やセンスを持った人の
時代になるんだなあ!ということを確信した。
今後SMOKEforMACの導入事例が今後ますます増えてくるだろう。inter bee2013-4.jpg
三つめのセミナーはAVIDのブースでの「スタートレック」を手掛けた
サウンドデザイナーとオフラインエディターの話。
AVIDメディアコンポーザーでオフラインする際に
サウンドデザイナーが用意した数々の音声を16CH分 くっつけて編集をする、その際の音声などのやりとりの話を具体的に聞いた。
protoolsを出している会社だけあって音声ということに対してとても
強力なツールが用意されている。今後さらにこうした境界がシームレスになっていくのかも
しれない。inter bee2013-3.jpg

撮影からオフライン、オンライン、サウンドデザインなどが一気にまとめて シームレスに作業ができるような時代がすぐそこに来ている。

【映像・広告】ACC CM FESTIVAL 2013 & ACC学生CMコンクール(@有楽町朝日ホール)

2013年11月19日 15:56

PB010538.JPGPB010537.JPGPA310467.JPGPA310458.JPG

1031日(木)16時~ACC CMフェスティバル贈賞式が行われました。

そして上映会が118日(金)13時~同じ会場で行われました。

今年のテレビCM部門の審査委員長は岡康道さん(TAGBOAT

今年のテレビCM部門の審査員は10人のクリエイティブディレクターに

厳選されました。

議論ができる最大の人数が10人だろうということで

このようになったと贈賞式で岡さんがお話をされていました。

今回のACCのテーマはまさに、

その審査員たちに向けられているかのような

「全員ライバル」

というもの。

まさに広告界でしのぎを削っているメンバーが

集合という形になりました。

ラジオCM部門の審査委員長は澤本嘉光さん。

新たな部門であるマーケティングエフェクティブネス部門の

審査委員長は秋元康さん。

この3部門とそれ以外の賞の発表が行われました。

クリエイターズ殿堂として大林宣彦監督が壇上に上がり

CM草創期のお話をしていただきました。

大林さんの言葉で印象に残ったのがCM

「映像実験の場」だったものが「流行を作るもの」となり、

それが「アート」となっていったという言葉に

CMの持っている根源的な魅力を改めて教えていただきました。

そして続けて大林さんは、CMはさらに

ジャーナリズムでもあるとおっしゃり

とても新鮮な言葉として聞こえてきました。

そうだCMは時代を切り取って

人の気持ちを動かすものなんだ!ということを

思い出させてくれるものでした。

東北新社のAプロデューサーもFBで

同様のことを感じており

若きPMやクリエイターとその気持ちを共有したいという

言葉を聴きとても嬉しくなりました。

そして、今年の結果が発表され、

TVCM部門はナイキジャパンのナイキベースボール「宣誓」篇60秒、

ラジオCM部門はワコール企業「まったく同じナレーション」60秒、

マーケティングエフェクティブネス部門はダイハツ工業 

ムーブの「その進化は事件だ~新型ムーブ導入キャンペーン」

 

が受賞しました。

映像テクノアカデミアでは学生CMコンクールで

テレビCM部門の大賞、金賞、銅賞を受賞。

ラジオCM部門では奨励賞を受賞しました。

また、マーケティングエフェクティブネスのメダリストとして

本学講師を務める石井利始ECD(ADK)の仕事

東芝LED「東芝LEDatルーブル美術館キャンペーン」が受賞しました。

受賞されたみなさまおめでとうございました。

そして学生コンクール受賞者の贈賞式が

126日の13時~イイノホールで行われる予定です。

【映像・広告】映像に関わり続けて-----アナログからデジタルへ------

2013年11月14日 10:40

現像所の朝は早い。

まずボイラーに火が入り、現像液の温度調整が行われる。

 それまで微かな光の浸入も許さない丸いアルミ管に閉じ込められていた撮影済のフイルムは封印を解かれ、工場の工程に沿って一定の速度で流れていく。

 それらがネガ像として現れるのは昼の光が差し掛かる頃になる。

 このネガを反転させたポジ像のラッシュが上がり、都内に散在している制作プロダクションに運ばれるのは夕方近くになる。

  

 この文章は小説「つなぎ屋」第八章の冒頭の一説です。

この小説はアナログ時代の全盛期とも言えるフイルム編集の現場を書いたものです。フイルムで撮影し、編集し、プリントを上げていた、いわばフイルムでの一気通関で映像作品を創っていた時代です。フイルム編集機はムビオラ、ステインベックを使用して、カット選び、編集点を探し、それをテープスプライサー(ギロチン)で"切った""張った"を繰り返し、まるで任侠道の世界のようでした。ただ、そこには手触り感覚でモノを作っていた感があり、苦しみ、悩みながら全身で創る喜びを感じていた時期でもありました。

 

仕事が終わったらどんなに遅くなろうが夜の街に出かけて行ったしんどくても楽しかった編集現場。

誰かがやってクライアントからダメ出しされた作品を自分の手で編集し直してOK

に漕ぎつけ、人知れず喝采を叫ぶ歪んだ快感。

編集の立場ながら撮影現場を演出する醍醐味。

これらを味わってまさしくアナログ時代を謳歌していた気がします。

 

それが、デジタル時代に突入し、今や、コンピュータ抜きでは映像が作れない時代になっています。映像編集機は素材をハードディスクに取り組んでさえすれば、カットの入れ替え、編集点の探り方などはアトランダムに瞬時にして行い、効率化、スピード化が進み、便利さが増し、手触り感覚がなくなってしまうようです。時には編集も会議室で行うなど、じっくり構えてモノ創りをする余裕がなくなった感すらあります。

さらにはコンピュータの申し子みたいなCGが多用され、映像表現技術の幅を広げているように見えます。ただ、ここに至っても映像創りはアナログ時代に築いたノウハウは大事であり、それを知らないでむやみに最新機器や技術に飛びついたりしてばかりいると、つねに何かを求めて糸の切れた凧のようにフワフワしていることになりかねません。

 

このように映像創りは、アナログからデジタルの世界へ入ろうが、コンピュータが指令を出して創られているわけではなく、それぞれの人による経験を元にした感性で競い合って創られています。

このことを実感するのは、皆が企画を出し合って完成させた作品を講評するときです。いつも初めに"講評は最高のクリエティブの場である"と切り出して始めることにしています。その際には、講師側の一方通行の話で終始するのではなく、双方向でキャッチボールすることが一番のポイントになります。

そこには、必ず人の生き様を反映したドラマがあり、それを追い求めた感性が生き生きと芽生えています。

 

"デジタルの究極はアナログである"

 

                       映像編集講師 本間 研二

 

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