映像テクノアカデミア

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映像翻訳科|東北新社の学校だから力が身につく!
プロへの近道!

私はTOEICの経験もなく、帰国子女でもありません!

岡田理枝 映像翻訳者/2005年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業


2005年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業
(株)東北新社 音響字幕制作事業部 演出部・字幕課 勤務
【作品歴】
[放送]
「プリティ・プリンセス2」「スタートレック ネメシス」「ダーティハリー2」「Mr.ディスティニー」 「チャップリン」「トロイ」「ミッシング」「怒りの刑事」
[ビデオ・DVD]
「アシャンティ」「ガンズ・アンド・バレット」「ブラックエンジェル~ロンドンより愛をこめて~」 「セイブ・ザ・ラストダンス2」「アート・ブレイキー/ライブ・アット・ロニー・スコッツ」 「リアリティ・ツアー/デビッド・ボウイ」
      以上全て字幕作品

この卒業生インタビューコーナーでは、たびたび書いていることなのですが、映像テクノアカデミアの入学生はほとんどが社会人です。
色々な社会経験をつんだ後、最後に映像翻訳にたどり着いた方が圧倒的に多いのです。
事務局は各種説明会、ガイダンス等で、繰り返し、プロになるにはこのように社会経験をつんだ後に、翻訳を始めるのが理想的と説明してきました。今回登場していただく岡田理枝さんは、まさにこのコースを絵に描いたように進んで来られた方です。
しかもアカデミアに通いながらの最後のお勤めはフラメンコ酒場。こんな面白そうな方は初めてとばかり、インタビューに登場いただきました。

通訳翻訳ジャーナルでインタビュー受けられていますよね。(注1)その見出しコピーが「人生を賭けた出遅れスタート」、かなり悲壮感漂う言葉が並んでいますけど(笑)、アカデミア入学は何歳の時だったんですか?

このインタビュー、最初からそんなキツイことを聞くんですか?(笑)

注1: インタビューは「通訳翻訳ジャーナル」2011 AUTUMN号です

スミマセン、「出遅れスタート」の見出しコピーにとっても興味を惹かれたものですから・・・・・・このコピーだけで、岡田さんのそれまでの足跡に、とっても興味がわいて来てしまいました(笑)。

ふふふ・・・ 30代後半とだけ申し上げておきます(笑)。

映像翻訳を目ざした動機などはのちほどお聞きするとして、アカデミアに入ろうと考えたきっかけは、何か特別なものがあったんですか?

アカデミアに入る前は、酒場に勤務していまして・・・・フラメンコをやっている酒場なんですけど、接客業ってすごく大変で、飲み屋さんに適職な人なんかいないって言われるくらい難しい仕事なんです。当然悩んで、いろいろ将来のことを考えているとき、本屋さんで偶然なんですけど、「幸せになる仕事」っていう情報誌にめぐり合って・・・・・

またスゴイタイトルですね!(ビックリ)

スゴイでしょう(笑)、当然なにー?って手に取ったら、アカデミアの広告がバーンと載ってて、場所が新宿だし、当時住んでいた所(八王子だったそうです)から1本で通えるし、東北新社がバックだし、言うことないじゃん!(笑)ていう具合で、決めたんです。

しかし・・・入学してくる皆さん、言うこと全部一緒ですね(笑)。

そりゃそうでしょう、大きな会社が後ろ盾なら、将来安心の確率は高くなるでしょう。

お話を聞いていると、やっぱり相当焦っていたようですね。

焦っていました、このままでいいんだろうか、いつまでも体力があるわけじゃないし、年をとってからも酒場勤めできるか分からないし、と考えてはいたんです。かといって、どんな職業なら末永くできるのか・・・みたいなことで随分と悩みました。

酒場を辞めたのは、どんなきっかけだったんですか?

辞めたんじゃなくて、ちょうど字幕課に入ったころに店を閉めたんです。それ以前からだいぶ経営難ではあったんですけど・・・・・・

なるほど、タイミングとしてはちょうど良かった、ということですね・・・・・

お店がなくなったのは大変悲しいんですけど、字幕課に入るきっかけになったので、その点では非常に運が良かったですね。

グッドタイミングで運が良かったのかも知れませんけど、字幕課に入るにあたっては実力がないと推薦はされないと思いますよ。岡田さん、鈴木先生(注2)からお聞きしましたけどたしか特待生でしょう。だから、実力が運を呼び込んだと言った方が良いのでは?

忘れていました、そうでした(笑)。授業料免除でやっていたんですよネ フフフフ

注2: 鈴木先生:映像翻訳科担当主任  2009年9月まで東北新社音響字幕制作事業部・演出部字幕課に勤務。

たしか字幕課の神田さん(注3)も特待生で、同じようなケースですよね?

そうらしいですね・・・・それよりも字幕課に入ってからは、神田さんが私のお師匠さんなので、とってもお世話になっているんです。

注3: 神田直美:東北新社音響字幕制作事業部 演出部字幕課主任 映像テクノアカデミア2000年3月 卒業 第4期生

岡田さんは英語はどのようにしてマスターしたんですか?たとえば、数年海外に行っていたとか、他分野の翻訳の経験があるとか・・・・

ゼンゼン無いんです。大学は英文科だったんですけど、体育会系で卓球にのめりこんでいましたし(笑)、海外は行った事がありません。ただ成田で航空会社に勤務していましたので、英語と接したのはその時くらいです。

TOEICの受験経験は?

無いですネ・・・・こう聞かれると、私何の得意分野も無いですね、改めて実感しました(笑)

師匠の神田さんも確か同じようなパターンの筈ですよ、確かあれもこれも経験ナイナイづくしで(笑)・・・・お弟子さんも似るんですね(笑)。としますと、これはやっぱり最初から順序よく質問をさせてください、どうも全体の様子がよく掴めません・・・・・
まず映像翻訳という商売があることを知ったきっかけは、どのようなことだったんでしょう?

ずーっと昔にさかのぼって良いですか?

どうぞ、どうぞ!(笑)

私の生まれたところは千葉の半島の根っこの辺りで、成田空港にも近いんですけど、回りは山と畑だけでした。だから娯楽は当然テレビだけで、5,6歳の頃から海外のテレビシリーズにはまっているんです。
話の中身はゼンゼン分からないんですけど、「謎の円盤UFO」の虜になってしまいました。カツラの変な人がピロローンて出て来て、あれは何?あれは何?っていうことになって・・・・・頭の中にしっかり仕舞いこまれて、あとで文庫本は全部読んだし、もっと後でDVDのボックスも買ってしまいました。

いいですね、だんだん熱中の仕方が見えてきました(笑)。

まだまだあります(笑)、「宇宙大作戦」これも全エピソード見ています。

どうぞ、もっと続けて下さい!(笑)

「チャーリーズ・エンジェル」「コロンボ」「スタハチ」「ファミリー・タイズ」

じゃもっとコアなところで「V ビジター」なんていうシリーズ知っていますか?

知ってますよ、面白かったですね!トカゲでしょう、子供が生まれそうになって、どうやって生むんだろうって、生まれちゃ~う、生まれな~い、見たくて見たくて、ハラハラしていました。

いいですね!テレビドラマファンでもこの作品あたりになるとあんまり知られてはいないんですけど、イイ線行っていますヨ(大笑)。

千葉テレビっていうU局があるでしょう、そこでもコアな作品やっていたんですよ。「ハッピー・デイズ」でしょう、それからサリー・フィールドの娘時代にやっていたシリーズ・・・・題名がどうしても思い出せない(笑)(注4)

注4: 調べた結果「ギジェットは15才」というシリーズでした。

「コロンボ」をのぞいて、たぶん全部東北新社が関係してますね。

東北新社という、番組の最後に出てくるクレジットが刷り込まれたのも、この結果ですよ。

興味は大学に入っても続いたんですか?

イエ、高校までで、大学に入ったらテレビを持たなかったんで、パッタリ止めました。

ハハハハ ずいぶんはっきりしていますね!

テレビのほかに、まだまだ熱中していた趣味があったんです。さっき言いました卓球。福原愛ちゃんや「行け!稲中卓球部」がはやるよりずーっと前です。

卓球がまだまだ暗~いイメージの時ですけど、それも中学からやっていました。
一時は全日本を目指したりなんかしたんですよ、それで大学に入ってからもこれにはまっていて、夢中でした(笑)。だからバリバリの体育会系で、うさぎ跳びなんかを毎日して、映画もテレビもそっちのけでした。

どうも想像するに、アカデミアにたどり着くまでには、相当かかりそうですね(笑)。

アハハハハハ じゃ卒業してからのことはカットします。

カットしないで、簡単に説明してください、飛ばし気味に(笑)・・・・・

就職は最初はアパレルの営業をやったんですけど、あまりにも向かなかったので、航空会社に転職して成田勤務を7年だったか、いや8年かな・・・・この時ですよ、航空会社に入って英語が出来ないなんて、仕事になりませんので、英語を吐くほどやりました。

吐いたんですか?(笑)それは会話?それともリーディングの方?

リスニングと書き取り練習のときです。本当に吐きそうになりましたね、ある時なんかノイローゼ気味だったんでしょうね、ノートを実際キキーッって破っていましたから!(笑)

独学でしょう?

そうです。でも読むのは昔から好きで、ペーパーバックなんか本棚全部がそれで埋まっていることもありましたから。
ですからこの時の経験で英語の力が一段階アップしたと思っています。

英語はよく分かりました。それでは翻訳希望はどんなところから出てきたんでしょう?

じつは翻訳も中学までさかのぼるんです。中学の頃から英語を読むのが好きで、高校の進路指導の先生には、翻訳がやりたいって言っていました。

その頃から映像翻訳?

イエ、文芸翻訳です。勿論戸田さんの名前は知っていましたし、あの方の字幕を見て、すごくあこがれてはいました。
でも戸田さんの経験談を読んだら、先生のところに飛びいり入門、みたいな事が書いてあったんで、それは絶対無理でしょうからパスしていたんです。それで文芸翻訳の希望でした。

じゃ消去法ですね・・・・

でも文芸も消去されたんですよ(笑)。先生がそんな仕事は、大学院に行った専門家とか、出版社で認めてもらった人とかがやる仕事で、そんなに簡単になれるものじゃないって言われて、その上母からはいずれ自動翻訳機がなんでもやってくれるから、翻訳なんか考えない方がいいって言われるし、八方塞がりになってしまったんです。
だから無理やり諦めざるをえなかった・・・・可哀想でしょう(ニヤニヤ)。

なるほど・・・意識の底の方には翻訳がズッとあったんですね。

はい、ズーッとです。ですから自分の行く末を本当に考えだした時、即決できたのも、このためだったからでした。

結局、その後航空会社は辞められたんですよね?

はい、あれこれ悩んだ末で・・・・・あれやこれやの挙句に、八王子の酒場で友達と飲みに行ったとき、そこのママさんにスカウトされて、そこで5,6年でしたか、勤めることになったと、いうわけです。

その後ですね、アカデミアでの「出遅れスタート」ということになるのは・・・・・

そうです、出遅れスタート フフフ

でもね・・・・30代後半でしょう、ほんの少し遅いかもしれませんけど、「出遅れ」とまではいかないでしょう、半分くらいですけど子育てし終わった主婦が、たくさん学んでいるでしょう、そのくらいの年の方は多いんじゃないかな・・・・・

たぶん、これは客観的に遅い、早いじゃなくて、私の主観的なものと考えてください。それまで色々な回り道をしてきたんで、これ以上回り道は出来ないと感じていたと言えばいいかな・・・・

としますとね、アカデミアに入ってからも、吐くほど(笑)自習はやったんですか?

やったと思いますよ。講師の先生方に薦めていただいた本は、できるだけ買いましたし、今でも家に高々と積み上げられています。でも、読んだのは興味からというより、義務感の方が強かったので、だからかもしれないんですけど、吐くかもしれない!(笑)って思いながら読みました。でも今思うと、本当に役に立って、今でも時々見返しているくらいですから 。
だいたいから初めの頃の授業で、水谷先生にバーンってやられましたから・・・・一流大学出てたって使い物になんかなると思ったら大間違いで、翻訳には学歴関係ないし、ほとんどが使い物にならないし、努力しなきゃダメなんでとか、これでもかこれでもか状態の、すごくショックなことを色々言われて、家に帰ってボーッとしてしまいました。

アハハハハ

ですから、いい加減にやっていると絶対に食べられなくなるって、どうしても考えてしまいますよ。その頃は勤めていた酒場も経営が厳しくなってきていたし(笑)、必死でやらないと食べられない、食べられるようになるにはなんとかしなきゃって思いつめていましたから。

とっても胸に迫る説明ですね!(笑)

とにかく、将来がかかっていましたから(大笑)

それで特待生ですね ハハハハ。岡田さんも経験済みと思うのですが、映像翻訳科の生徒には、帰国子女とか、TOEIC900点以上とか、通訳とか別の分野での翻訳やっていたとか周りにはいろいろいるわけですよ。岡田さんみたいに、大学出てから15年近くでしょう・・・・TOEICにも縁が無く、海外生活にも縁が無く、自己流で英語の力を落とさずにやってきた人はやっぱり珍しいと思うんです。
いくら将来がかかっていても、なかなか特待生には手が届かない・・・・届いた特別な理由は何か思いあたりますか?

特別思いつかないんですけど、映像翻訳は面白いですよね。
面白いっていうのは、英語も映画も面白いんですけど、他の翻訳になくて映像翻訳だけにあるのは台詞なんです。台詞の翻訳が面白いんです、こんなところに興味を感じる人は少ないんじゃないかしら・・・・小さい頃から台詞が好きで、人の話す言葉も台詞にして伝えていましたから。
それと文字が好きで、本は別として、街なんかでもあらゆる文字に目がいってしまって、看板はどんなものでも見てしまうんです。ですから字幕は趣味としてとにかく好きでした。思い浮かぶのはこんなことしかありません。

通常こんなことをお聞きするのは、何か面白い特別なお話が出てくるのかと期待しているんですけど、よくよく考えるとそんなことを期待するのが間違っていますよね。ごくごく普通の努力が必要なだけで・・・・

そうですよ、いかに講師の先生の言うことを習い、肉体化するか、咀嚼するか、それにかかっていると感じます。

それと、特待生、特待生って言われますけど、そのころ思ったのは、これはプロになるための過程に過ぎない、こんなことで安心なんかできないっていうことでした。

おしゃっていること、いちいちもっともだってうなずいてしまいます。説得力ありすぎですよ(笑)、やっぱり社会経験のなせる業なんですかね?

フフフフ 当たり前のことでしょう、将来の生活設計のために来ているんですから・・・・・

質問を少し変えますけど、こんな岡田さんなら授業はどうでした?講師の言うことを聞き逃すまいとしたでしょう?

こんな私だからか、どうかは分からないんですけど(笑)、妙なこととか考えさせられることを、今でもたくさん覚えていますね。たとえば・・・・たぶん誰もが言うんでしょうけど、講師からの添削はとってもプラスになるんです。ですから添削された内容はいろいろ覚えています。
でも・・・・佐藤一公先生に字幕の授業のとき、「既婚者」という文字を直されたんです、”KIKANSYA(機関車)”みたいで音が嫌いなんですって・・・・・どうして?って。ダメだという他の理由があるんじゃないかと思って、今でもよく覚えているんですよ(大笑)。

確かに字画は多いし硬い文字ですよね。たとえば、こんな硬い文字は作品のテイストに合わない、ということはあるんじゃないでしょうか?

理由を明らかにしてくれなくて、ただ音として響きが「嫌だ!」という事だけでした。
字幕ででも音を気にするのかと思って・・・・・だからかも知れませんけど、その後いろいろ考えてしまって、今でもよく覚えているんです。この件は、字幕とか吹替とかには関係なく、その人その人によって言葉に対する好き嫌いがあって、とても感覚的なものじゃないかって、自分の中で勝手に結論付けています。実はこれに類したこと、その後も経験しているんです。

どんどん、続けてください(笑)

最後のコース専科の授業で、劇映画1本まるまる翻訳しますよね。川本先生の添削が、赤は線とかレ点とか入っているんですけど、理由はゼンゼン書いてなくて、だから色々考えこんでしまうんです。たぶん、ここは意味が通じにくいとか、何かが足りないとか、絶対に何かがあるんですけどすぐには解らない・・・・・・

この様なことは他の卒業生からも聞いたことはあります。先生から解答を言ってしまうと、生徒のほうは何も考えなくなるでしょう、だから解答はすぐは言わないのでしょう。

そうなんですよね。答えを先に先生から言われると、赤を入れた理由はその時は理解しても、その場限りで生徒はおおよそは忘れてしまうんです。私も経験上そうでした。一度先生に、どうしてここが赤なんですか?と聞いたら、どうしてでしょう?と逆に聞かれてしまいました(笑)。そんなこと自分で考えよ!ということですよね。以上は”添削箇所の理由は自分で考えよ!”篇でした。フフフフ・・・・

このほかにも、まだ出てきそうですね(ニヤニヤ)・・・・

そのほか覚えていることは、これもものすごく感覚的なことだと思うんですが、吹替の台詞の作り方についてでした。
男女の甘ったるいシーンで、ニコラス・ケイジとメグ・ライアンのやり取りなんですけど、ベタベタな甘い台詞を書いたら、竹本明日香先生にそんなプレイボーイみたいな台詞を書くなって言われてしまったんです。確かに私も書いていて気持ち悪かったんですけど(大笑)・・・・・・

それじゃ誰が見ても気持ち悪いんでしょう!(笑)

でも、同級生に聞いたんですけど、同じ作品の授業で別の先生のときは何も言われなかったらしいんです。ですからある先生ではOKで、ある先生はダメ、とてもその人その人で正解が色々あるっていう、翻訳の典型みたいな例をその時は体験していたんですね。

経験を積んでいればこんなことは当たり前なんでしょうけど、学んでいる未経験の身分じゃ、なかなか分かりませんよね。矛盾だとすら思ったでしょう・・・・

たぶん問題となっていたことは、正解か不正解かではなくて、これも好きか嫌いかの問題だったんですよ。このような経験はもっと言うと、言葉に対する好き嫌いは持つべきだし、持たないと自分の形が出来てこないと思うんです。
ですから結果論ですけど、矛盾だと思うことで逆に考えさせられたし、随分鍛えられました。一人の先生の言うことだけを無条件に聞いて、何も考えずそのままにしていたら、表面的なことしか分からなかったと、今では考えています。ですから・・・・先ほどの一公先生の”既婚者”と”機関車”は、先生が身をもって御自身の好みの例を見せてくれたんだなと、今は考えています。
それからは、私にとってあの”既婚者””機関車”はオマジナイになって、”kikonsya””kikansya”ってずーっと呟いていましたから(笑)。

このオマジナイ、こちらにも乗り移ってきそうですね。リズムがあって思わず呟きそうです・・・・・(笑)。こんなことを考えながら専科に行って、この後字幕課に入ったんですよね?

はい、当時は字幕課の責任者だった鈴木さんに、面接をしていただき入りました。

生活設計の第一段階のファースト・ステップを踏み出せたんですかね?

そうなんでしょうね、酒場の仲間達も絶対にこのチャンスを無駄にするな!と励ましてくれましたし・・・

字幕課の様子はどうですか、だれか指導してくれた先輩はいるんですか?

私PCが苦手だったんです。家にはあるんですけど、趣味で使うのと業務で使うのとはレベルが違ってきます。だから最初SSTに慣れるのにも大分苦労をした覚えがあります。
その後でメジャー作品をやるチームに入って鍛えられました。先ほど言ったように師匠は神田さんです。まず一つの作品でチェックされたシートを10枚も20枚もバーンて(笑)渡されて、そのシートを頼りに半日くらいかけて作品を見直すわけです。そんなことをやりながら、演出チェックの注意するべきポイントを叩き込まれたんです。

一口に演出と言っても、翻訳が出来るからってすぐ出来るわけじゃないですよね。チェックしなければならないポイントというか見方が、必ずあって、それを体得するまでには年季が必要でしょう?

年季というと少し大袈裟になります(笑)。でも確かにチェックするポイントが分からないと、全くのお客さんですよね。私も始めはそうでしたから・・・・

字幕課に入ってもう長いでしょう?神田さんに鍛えられて、今はどんな立場で仕事をされているのですか?

一つのチームを任されています。チームって言っても私を入れて4人の小さな世帯です。

演出チームで4人なら立派なものでしょう。クライアントは?

クライアントはとあるメジャー会社とだけ言っておきます。”立派”っていう意味が分かりません(笑)、4人でもギリギリなんですから。

字幕課に入った当時は1スタッフとして働いていたわけです。チームのリーダーになってから、仕事上で変わったことはありますか、その・・・・ギリギリを別にして。

変わりました。1スタッフの時は担当した作品だけに集中していればよかったんですけど、リーダーになると仕事が来たらだれに振るか・・・・リーダーとして振る仕事は当然なんですけど、みんなスケジュールがきつい仕事をやっているんで、どうやってお願いしなければならないのか、それが悩みどころなんです。

それは純粋にリーダーとしての仕事ですね。お聞きしたかったのは、演出上、或いはチェックをしてゆく上で、なにか変わったことについてなんですけど・・・・

作品を見る基本的なポイントは、自分の中ではそんなに変わっていないと思うんですけど・・・・いや変わったかな・・・・

ハハハハ どっちなんですか?

変わっていますね。いつの間にか、クライアントの立場としての目線が入ってきていると感じます。
各々のクライアントには特色がありますから、その特色は無視は絶対に出来ません。ですからその特色を考えるということは、クライアントの立場でものを考えないといけなくなるわけです。仕事を請けた制作の方は当然そのような見方を要求してくるし、それに応えないといい仕事は出来ないと感じています。(スゴイ迫力で!)

これは当然なんでしょうけど、アカデミアの時と比べると字幕課では一段階上のレベルで鍛えられたと思います。何を鍛えられ、その結果どう違ってきたとお考えですか?

字幕課でやっていることはアカデミアで習った基本の延長なんですけど、でも基本だけだと実践をやるにはまだまだ不足するものがあります。つまり実践をやることによって、良い悪いがはっきりとしてくる、自分の中での判断基準が明確に出てきます。

字幕課では、台詞の一つ一つについての判断が求められます。たとえばこの倒置法は良くない、この語法だと誤解を招く、ここにもう一言付け足せば意味が明瞭になる、このハコ割よりもここで割ったほうが自然だ、この言葉使いは差別的だから消去すべきだ、とかあげたらキリがないんですけど、このような判断は実践でしか養えないでしょう。あらゆるケースを判断しないとならないんですから・・・・・
一言で言ってしまうと、どれだけ場数をこなすか、これに尽きます。確かに、翻訳には間違いというものはなくて、良いか悪いかがあるだけと良く言われますよね。でも悪いものはダメで、間違いの部類に入るんだと思うんですよ。このような判断が出来るようになるのは、繰り返しになりますけど、やっぱり実践でしかないと考えています。ですから、質問の答えは実践で鍛えられて、良いか悪いかの判断力を持たされた、この判断力は翻訳にものすごく役立ちますよね。

よく分かりました。ところで、岡田さん翻訳もやられてますよね、どんな傾向の作品が好きなんでしょう?

好きと聞かれると音楽物なんですけど、少ない作品暦の中で今まで一番感激したのは「アート・ブレイキー」のDVDをやらせてもらった時です。発売になったらいきなり買いに走りました(笑)、もちろん作品歴にも書きました・・・・

これからどんな作品を手がけてみたいですか?出来るかどうかは別として・・・・

男の人がいっぱい出てくる渋い作品、たとえば「ヒート」みたいなもの。女性が出てくるとダメなんです、恋愛物はパスです(笑)。

(ニヤニヤ)変わっていますね・・・・

恋愛物でもさわやかにしていただくぶんには構わないんですけど、ベタベタされると、気持ち悪くなってしまうんです(大笑)。

生きた言葉が飛び交うインタビューを文章にすると、その場の臨場感は少し薄れます。これは録音を聞けない限り、いたし方のないところでしょう。インタビューの中で岡田さんが何度も繰り返した言葉、それは「若い時だけでなく、一生を通じてできる仕事を何とか探さないと」という切実感あふれる言葉でした。この切実感をうまくお伝えで ないのが、インタビューアーとして残念でなりません。
TOEICもTOEFLとも無縁で、帰国子女でもなく、それどころか海外の経験もない人物が、ただただ英語が好きだ、翻訳者になりたいというそこだけにこだわった結果が、現在の彼女の姿です。勿論、そのこだわりの中味には講師に勧められた参考書は全て読んだ、講師の言葉を何度も咀嚼した・・・・そこには”吐きたくなる”ような努力があったのは言うまでもないことです。

さあ、
アカデミアに出かけよう

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