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依頼主から絶対的に!信頼される翻訳者に……

加納礼子 (株)アルジオン 映像翻訳者/2002年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業


2002年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業
【作品歴】
[放送] 字幕作品/NHK放送作品:「クイック・ガン」/「青春よ永遠に ジェームズ・ディーンのすべて」/ 「エルマー・ガントリー」/「黒い瞳」/「踊る結婚式」/「孤独な場所で」 「私の小さな楽園」 「情婦」/「ニューヨーク ニューヨーク」/ 「ファニー・ガール」/「眺めのいい部屋」/「ローマで起った奇妙な出来事」 /「プライドと偏見」/「81/2」 映画祭で上映された作品:「眠れる野獣」/「ニーナの幸せレストラン」

映像テクノアカデミアの卒業生の中には、他の卒業生紹介でおわかりのように、自らが習得した翻訳技術を生かすため、フリーの道ばかりではなく、会社勤めをされている方も多く見られます。
今回ご紹介する加納さんはテクノアカデミアに入学直後、「アルジオン」という字幕制作会社に入社、現在もこの会社で活躍されている翻訳者の一人です。もともとは英語教師を目指して英語の勉強に励んでいた加納さんがどういった経緯で現在に至ったのかを、目黒駅近くにある「アルジオン」に押しかけ!伺ってきました。

宜しくお願いいたします…まず最初に……加納さんはテクノアカデミアに入る前はどのような事をされていたのですか?

大学の英語英米文学科を卒業後、翻訳と関係ない仕事をしていました。

と言うと?……

病院で人間ドックなどの受付や事務の仕事を3年間…

本当に関係ない(笑)……英語を使う仕事に興味はなかったのですか?

いえ、いえ、大有りです。いつの頃からか…・学校の英語の先生になろ うと思っていましたから……その為に英語をもっと学ぼうと思って大学時代に2回海外に行ったりもしたんですよ。

2回!熱心ですね。それはホームステイか何かですか?

1回目は大学2年生の夏休みに学校のプログラムを利用して6週間くらいアメリカへ行ったのと、2回目は3年生が終ったあと、1年間大学を休学してカナダへ行きました。そこでは現地の大学付属の語学学校に入って勉強しました。

それだけ熱心に英語の勉強をされたのになぜ夢だった学校の先生にはならなかったのですか?何か諦めるようなキッカケでもあったのでしょうか?

いえ、諦めたという事ではないですが、実は勉強しているうちに、「誰かに教える」という事よりも「自分が勉強する」事の方が楽しくなってきてしまって(笑)……一応教職の免許も取ってはいたんですけど、「なんか違うなぁ」と。

そうですか(笑)……英語は「教える」のではなく「学ぶ」ことに切り替えて、でも卒業後の就職は事務職をなさったんですよね。その後アカデミアへ入学…加納さんには、色々分岐点があるようなので、どこからお聞きしてよいのやら?(笑)…

そうだと思います(笑)。それじゃ…まず映画のことから説明しましょう。英語を勉強するのが楽しくなったと言いましたが、それよりも先に子供の頃から映画が大好きだったんです。昔とくらべて少なくはなったんですけど、でも今でも月に10本ぐらいは観るようにしています、もちろん映画館でです。

会社勤めをしながら月10本、それで少なくなった?!…加納さん相当年季が入ってますね!(笑)

いや、いや…でも…私にとってはこれでも不足なんです。「あ、アレ観逃したな」っていう作品に、いつでも目が行ってしまって…だから観なかったら逆に「あれも観てない、これも観てない」ってストレスになってしまうんです(笑)。

結果論なんでしょうけど、観る作品は、大きい作品とか単館系だとかっていうのは特になく、あんまり偏らないようにバランスをとって観てしまっている感じかしら…要するに気になった作品は観に行ってるんですね。そしていつの間にか「勉強する」という目で観てしまっているんですよ…たまに劇場の暗闇でメモ取ったりして…(笑)「今の字幕いいな、使いたいな」とか…

幸福なのか不幸なのかわかりませんが…本職と趣味が見事に結びついている(大笑)…月に10本は映画館のハシゴですか?

そうですね。出たついでに…時間が上手く合えばハシゴします!でも、昔は3本観ても疲れなかったんですけど、今は3本観ると最後の1本は疲れちゃって半分寝てる事があるので、観るとしても2本です(笑)。

映画好きはたくさんいると思うのですが、加納さんの好きはレベルが違う……こんな調子で好きになったのはいつ頃からですか?

えーっと…いつ頃でしょうか…小学生くらいだった気がします。確かどこかの局の洋画劇場でやっていた、「13日の金曜日」とかを観たのを覚えてます。

エッ!?ホラー映画?加納さんホラー映画大好きなんですか?

母親がホラー映画好きだったんですけど、よく一緒に観てたんです。

小学生で「13日の金曜日」は刺激が強いでしょう…

そうですね(笑)でも、最後まで観れば「どうして殺人鬼になってしまったのか」とか、原因がわかるんです。理由がわかるまで観ればとりあえず怖くない!その辺りが映画を観始めたきっかけだったと思います。アカデミアに入学するまでは、私、地方に住んでいたんです。だから観ることのできる映画は限られていました。でも限られた中でも、気になった作品は漏らさず観ていました。

そして…大学生のころから地元の小規模の映画館に入り浸るようになって……神戸や夕張で開催される映画祭にも出かけて行ってました。もうこうなると止まらないでしょう(笑)……好きなジャンルなんかはこだわりがないので、俳優や監督や題材など自分なりの優先順位に従って観に行ってます。

なるほど…ようやく加納さんの原体験が見えたような気がします…ご両親は加納さんの映画へのヒートアップはご存知だったんですか?

知っていました。昔、家族からは「私がいない時、連絡を取りたかったら映画館に連絡しろ」とか言われていました。その頃よく入り浸って、たまには裏方も手伝った映画館があったので(笑)……

こうなるともう「ニュー・シネマ・パラダイス」状態??ですね(笑)…因みにそれはどこの?

東京ではなく地元にあった小規模の映画館です。地元で活動している自主上映グループの人達と交流したり、上映中の映画の監督や俳優がゲストで来館するようなときに手伝っていただけです、それで映画を観ないときもよく立ち寄っていたんです。

こんな映画漬けの生活…まさか…留学中もそうだったんじゃないでしょうね?…

いえ、そうでした(小さな声で)……特にカナダでは映画館に行くことが手軽な娯楽だったので、観に行く機会が多かったです。

カナダで観る映画、もちろん字幕も吹替もありませんよね。失礼ですけど問題なく理解できましたか?

そうですね…ジャンルにはよるんですが、一応「聴こう」「理解しよう」と思って観てたので大丈夫でした。

どういったものを観ていたんですか?

えーっと…これは劇場ではないんですけど、クエンティン・タランティーノ監督の「レザボア・ドッグス」をビデオで観た時は強烈でした。あのときの印象、よく覚えています。映画館は大学の構内に、学生だけでなく一般の人も観に行ける所があって、そこに行っていました。客席は300ほどだったかしら…・具体的に何を観たかあんまり思い出せませんが、古い映画から最新の映画までいろいろ観まくったことだけは覚えています。

そうですか、カナダでも恵まれた環境にいらしたんですね。

そうかもしれません、英語と映画漬けの日々でした…

このまま映画の話を続けていると、インタビューがこれだけで終わってしまいそうです(笑)。話を元に戻しましょう…病院で事務をされてたんですよね?

そうです。まずはとにかく…働きながら勉強を続けようと思っていました。この点、前の仕事は残業がなくてそれに契約期間が決まっていたので、タイムリミットを設けるという意味では、とても都合がよかったんです。それと…話の順序が逆になりますが、映像翻訳という仕事があることを見つけたのは、大学時代の就職活動の最中でした。

翻訳・通訳関係の情報誌を見るようになって…初めてこんな仕事があるっていうことを知りました…迂闊ですよね(笑)、映画で色々な翻訳者の名前は知っていたのに…自分の職業の選択と結びつかなかったなんて……ですから働きながらの勉強は、その職業に結びつけようと考えました…

往々にしてありがちなんですが、映像翻訳って特別な世界のように思う方が多いんですよね……それで…テクノアカデミアを選ばれた理由はどのようなものだったんですか?

勿論興味のあるいくつかの翻訳学校はありました。でもアカデミアの先生方は、劇場作品を手掛けていて名前を知っている方や、テレビや舞台など色々な場面で活躍されている方々ばかりです。そういう方たちから学べるのがすごく魅力的だったので映像テクノアカデミアに決めました。でも…そんなに簡単に「映像翻訳者」になれるとは思っていなかったので、初めのうちは「様子を見てみよう」という軽い気持ちだったんです。

実際に様子を見ての感想は?

個性的な先生が多いんですよ(笑)…どの先生も面白かったんですが…そうですね…例えばミュージカルなどを手掛けていらっしゃる川本燁子先生などは、特に印象に残ってます。

逆にこの先生はキツかったなーっていう先生は?

先生がキツいんじゃなくて、質問がキツイです(笑)……でも…特に無かったんじゃないかしら…教材も様々なジャンルのものをやったので、その都度楽しめましたし、キツいと思うことは無かったです。印象でいうと翻訳の印象とご本人の印象が大きく違ったのは岡田壮平先生ですね。手掛けている作品は「レオン」みたいな割と男くさい感じのものが多いのですが、ご本人はとても明るく楽しい感じの方で、授業もとても優しいんですよ…だからでしょうか、一番ギャップがありました(笑)…

厳しいか優しいかで言うと、優しいのは林完治さんや岡田壮平さんあたりですよね。「みんな頑張ればできるよ~」みたいな……(笑)加納さんも勇気付けられることもあったのではないですか?

イヤー、逆ですよ(笑)。私の中ではお二人とも「別格」という感じだったんです。「先生は簡単にそうおっしゃいますけどネ…先生と同じレベルまで行くのはそう簡単じゃないんデス」とか思ってましたね(笑)

正しい目線ですね(笑)。3年目の専攻科の先生方はどうでした?

私は桜井先生と尾形先生に当たりました。とにかく専攻科は長編映画の全編翻訳でしょ…ほんとうに忘れられない授業でした。あの授業で作成した原稿は捨てられない気がして、いまでも大事にとってます。

加納さんが「アルジオン」に就職されたのは、アカデミア在学中と伺ったのですが、どういったキッカケだったのですか?

入門クラスに入学してすぐでした…6月頃だったと思います。ある映画の配給会社に知り合いの方がいまして、その方から「自分の知ってる会社で欠員が出て、人を探しているから面接を受けてみないか」と声をかけていただいたのがキッカケでした。

それは翻訳者として?

そうですね。その方は私が映像翻訳の学校に通っていることも知っていたので、声をかけていただいたのだと思います。

こんなラッキーなケース…実にうらやましい(笑)…入社してどんな仕事から始められたのですか?

この会社は少人数ですので、一人で全部の作業をしなければならないんです。そうですね……翻訳作業に制作進行をプラスした仕事とイメージしてください。ですから、素材を受け取り、受け取った素材のチェックから覚えていったという感じでしょうか……クライアントに届ける仮ミックスのDVDなんかも私が作って納品しています。入社してから4ヶ月くらい経ってからだったと記憶していますが、一本翻訳をしました。

希望が次から次へとかなって行く感じですね(笑)…でも大いなる疑問が湧くのです……入社して4ヵ月後にすでに翻訳を始められた…そんな力があるのなら、なにもアカデミアにわざわざ通う必要はないのでは?……

逆なんですよネ(笑)……力があるから翻訳を任されたのではなく、力をつけるために、翻訳をしたのです(笑)……ですから直され赤を入れられた方が多かったんですよ。それに「アルジオン」という会社は比較的クライアントの範囲は限られているのです。ですからこの限られた中だけではなく、アカデミアに通うことで、基本を身に付けて様々な需要、要求に応えられるようになりたいと思い、通いつづけました。

だんだん解ってきました……でも実際に「アルジオン」で働きながらだと、アカデミアの授業よりも先に進んでしまうこともあったでしょう?

勿論です。「アルジオン」は「翻訳の仕事」という実践の場所です。この実践でつくづくわかったことは、学校で習う基本的なことを、ちゃんと把握していないと、実践はこなせないということでした。卵が先か、鶏が先かの議論になるのですが……実践をこなすことで基本はホントに必要だと理解しました、実践がなければ、基本が必要だとはあまり感じなかったかも知れません。

それに……翻訳は一人だけの作業と思われがちですよね、でも依頼主であるプロデューサーの意向はちゃんとあるわけで、その意向は汲み取って翻訳しないといけない、つまりこの意味では共同作業、それも相当シビアーな共同作業だと思うんです。そしてこの共同作業は絶対に基本が必要なのです。だから並行して学んでいける環境はホントによかったと思っています。

よく解りました。それで…アカデミアでの基本を学ぶ授業、どんな所が役にたったか、具体的なお話はありませんか?

授業で字幕や吹替えの演習をやって、クラス全員の原稿をみんなで講評することがよくあったんですけど、人が訳したものを見て「ああ、こういう訳し方があったのか」とか「こんな風に処理するのか」と、気付かされる事がよくありました。原文はひとつでも、いろいろな訳し方があること、その中から最適な訳を選ぶこと。まず何と言っても…そういう広角的視野を持つ姿勢を学んだことでしょうか……実践で直接的に役立っているかどうかはわかりませんが、プロデューサーの意向をあれこれ考える、その方法は学べたと思っています。

現在はどんな作品をメインに翻訳されているんですか?

NHKのBSで放送される映画の字幕翻訳を中心にやってます。

じゃあ、NHKから発注がきたら、翻訳・演出・納品までを全部一人でやるんですか?

いえ、これも共同作業です。私が翻訳した作品は上司が誤訳などの社内チェックをし、スタジオでの最終ミックス編集などをしてくれます。英語以外の言語の作品はベタ訳を外注して、それを上司が字幕にし、逆にそれを私がチェックする、というようにお互い分担してやるという感じです。主な私の役割は、翻訳と発注プロデューサーとのやり取りと考えていただければいいと思います。

翻訳は会社でやるんですか?それともご自宅?

ここでやります。

出勤して翻訳となると、残業も多いでしょう?

いえ、ほとんど残業はなしです。本当に忙しい時期は土日出勤する事もありますけど、それ以外は平日のみですね。

じゃあ、仕事と休みはちゃんとメリハリがついている……?休日は翻訳を離れて家でのんびりしたりしているんですか?

いえ、映画館に直行です(笑)……

ハハハ…また映画の話に戻ってしまう…質問を替えます。今まで翻訳された作品の中で、記憶に残る作品、あったら教えてください。

そうですね「エンジェル・アット・マイ・テーブル」という作品でしょうか。DVDのパッケージに初めて自分の名前が載った作品なので、とても記念になる作品でした……
(と言いながらそのDVDを見せてくれました)

加納さん…ペンネーム使われているんですか?平仮名表記で「かのうれいこ」さんなんですね。

そうです。この時は平仮名表記でお願いしました。

こちらはどういった作品?…

ジェーン・カンピオンという「ピアノ・レッスン」などを手掛けた監督の作品なのですが、小説家ジャネット・フレイムの自伝を映画化した作品です。ストーリーが好きなタイプのヒューマンドラマだったので、実際に本を調べたりするのもとても楽しかったんです……原作に忠実な映画だったので、とても調べがいがありました。

現在字幕を中心に翻訳をしてらっしゃるようですが、加納さんは字幕の面白さはどんなところにあるとお考えですか?

難しいことをお聞きになりますね(笑)…そう…吹替といちばん違うのは、オリジナルの俳優自身の声や物音を聞きながら観れるってところです。字幕は元の作品を補助していけるところが面白いんだと思います。映画を作っている人の意図や気持ちを邪魔しないように、それでいてピタっとハマる字幕が作れた時には嬉しいですね。あんまり出しゃばることなく…

吹替をやりたいと思うことはないのですか?

アカデミアの演習で吹替に取り組んだとき、同じ翻訳とは言っても字幕と吹替の大きな違いを痛感しました。あまりにも大きいので、今はとりあえず字幕を専門にやっていきたいと感じています。

では、最後に今後はこういうジャンルの作品をやりたい!とか目標があれば教えていただきたいのですが。

ジャンルで「これをやりたい!」というのは特に今は考えておりません。まずは「依頼主に信頼される翻訳者」になれるといいなと思っています。この人に任せれば大丈夫という関係ができればすごく良いなと…

その実現のためにはどうしていかなければならないと、お考えですか?

具体策なんてないと思います。それよりもひとつひとつ、キッチリ仕事をこなしていく事が一番大事だと思います。ひとつでも「アレッ?」というものがあると、信用はすぐ落ちていきます。ですからそこは妥協しないようにと肝に銘じています(キッパリと!)。

頑張ってください!今後のご活躍を祈っております。今日はどうもありがとうございました。

今回インタビューに答えていただいた加納さんは初めお会いした時はとてもクールな印象を受けました。しかしインタビューを進めていくにつれ、とても熱い「映画愛」を持った方だというのがわかりました。入学して間もない時期に字幕制作会社へ入社…まだまだ右も左もわからない頃からのスタートは苦労の連続だったと想像されます。でここまで続けてこれたのは、加納さんの「映画愛」があったこそかもしれません。この「愛」が絶えることなく、「依頼主に信頼される翻訳者」を目指し頑張ってください。そしていつか!昔の夢であった先生!例えばアカデミアの講師などはいかがでしょうか?(笑)……

さあ、東北新社の学校へ!アカデミアへ出かけよう!

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