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もっと海外ドラマの翻訳をしたい!あきらめなければ必ずチャンスが!

岡部康子 映像翻訳者


2005年10月より映像翻訳の仕事を始め、2009年に研修クラスに編入学
2011年 映画翻訳専科を修了
【代表作】「ブレイキング・バッド」(吹替、シーズン4以降の特典映像)、「21ジャンプストリート」(吹替)、「スパークル」(吹替)など。

今回インタビューを引き受けていただいたのは、現在もっとも活躍している卒業生の一人、2011年卒業の岡部康子さんです。
自動車メーカー勤務から銀行窓口業務、その後、海外生活をされるなど、さまざまな経験を経て映像翻訳者に。さらにレベルアップをと研修クラス(2年目)への編入試験を受けて、映像テクノアカデミア生となりました。岡部さんがどのようにして現在に至ったのか、いろいろと聞いてみました。

映像翻訳者を目指す方に聞くと、幼少の頃から海外ドラマや映画が好きな方が多いのですが、岡部さんもそうでしたか?

そうですね。私も好きでした。

どんな作品を見ていたんですか?

歳が分かってしまうから嫌なんですが(笑)、「大草原の小さな家」や「ダイナスティ」などを見ていました。
大人になってからは、「フレンズ」「アリー my Love」「ビバリーヒルズ青春白書」「24」とか…。思い出すとどんどん出てきますね。

大学を卒業後は、何をされていたんですか?

もう、ずいぶん昔の話になりますが、自動車メーカーに勤務していました。顧客サービス部門で部品のメンテナンスやインターネットを使ったマーケティングを…。

確か大学の専攻は英語学科ですよね!?

そうなんです。まったく関係ないですね(笑)。

そこから翻訳者を目指すことになったきっかけはなんだったんですか?

もともと大学生の時に文学作品を和訳する授業があって、面白いなあとは思っていたんです。でも、その時は特に職業とかは考えてなかったです。
勤めていた自動車メーカーが外資系に買収されて、資料を英語に直さないといけない仕事が増えてきたんです。その時の上司が帰国子女で「翻訳とか向いているんじゃない」って…。絶対、その気にさせて仕事をやらせるためだったんだと思うんですけど(笑)。
そんな時、夫が転職して広島から東京に引っ越すことになったんです。しばらく専業主婦をやっていたんですが、これはちょっと合わないなと…。
パートで銀行の窓口業務をしていたんですが、これが本当に合わなくて (苦笑)。

えー、どうしてですか?

お客さんに渡さないといけない書類を渡し忘れたり、メモを返さなかったり。そのたびに上司がお客さんに謝っていて…。「これはだめだなぁ」って…(笑)。
そんな時に、夫の仕事の関係で半年ほどアメリカに行くことになったんです。
ずっと海外留学をしてみたいと思っていたので、喜んでついていきました。

いいですね!半年間、どんな生活をしていたんですか?

向こうの大学の付属の英語学校に通っていました。そこはこれから大学に行こうとしている人たちが通っているんですが、3カ月ぐらい経った頃、(周りから)「大学の授業が夏休みにあるから、帰国する前に出席してみれば?」と勧められました。せっかくなんで、文学とか、パブリックスピーキングなどの授業を取りました。それでこれは面白いなぁと思ったんです。その時に、字幕の翻訳ができたらなと思ったんです。書籍の翻訳とかは思いつかなかったんですが…
それで、帰国してから、(映像テクノアカデミアとは別の)映像翻訳の学校と、通訳とビジネス翻訳の学校に行きました。通訳の授業はあまりにも難しくてすぐ挫折しました。ビジネス翻訳の方も上級クラスに行くと帰国子女の方が多くて、全然ディスカッションについていけなくて。これはだめだなと思っている時に、映像翻訳の学校から仕事をしてみないかと誘われて、映像翻訳の仕事を始めました。

すごい!優秀だったんですね。その時はどんなお仕事をされていたんですか?

4、5年、映像翻訳の仕事をやって、その8~9割がリアリティショーやドキュメンタリーの仕事で、1~2割がドラマでした。自分でもこの状況をどうにかしたいなと思っている時に、夫の仕事でまたアメリカに4カ月ほど行くことになったんです。
翻訳の仕事はどこにいてもできるので、リアリティショーの翻訳はアメリカに行ってもやろうと思って行ったんですが、パソコンの調子が悪くてできませんでした(笑)。
結局、それまで抱えていた仕事をキャンセルして。それからはアメリカでの生活を楽しみながら、勉強のためにアルクから出版されている「映画翻訳入門」という、映像テクノアカデミアの先生が書かれている本を読んでいました。ビデオを借りてきて、その本に出てくる課題をやったりして、これは面白いと思ったんです。

映像テクノアカデミアのことは、ご存知でしたか?

他の学校に通う前から知っていました。でも本当になれるかどうかも分からないのに、3年間通うのは正直きついなと思い、履修期間が短い他の学校を選びました。それに私も主人も西日本の出身で、いつまで東京にいるか分からなかったのもありました。
でもアメリカに行くと気分が若返るようなところもあって、帰国後、映像テクノアカデミアでもう一度勉強したいと思いました。もっとドラマの翻訳がうまくなりたいし、ドラマの仕事の割合を増やしたい。そして、あわよくば東北新社から仕事をいただきたいという下心もあって、編入試験を受けたんです。

実際に編入してみて、いかがでしたか?

研修クラスから入ったんですが、今は違うと思いますが、その場で課題を訳す授業だったんです。それが全然できなくて!ちょっとは経験があったので、目立ってしまうのではないかと思っていたんですけど(笑)、目立つどころか埋没!ほんとにプロか!なんて視線を浴びつつ…(苦笑)。
すでに仕事をしている人も私だけではありませんでした。みんな考えていることは同じようで、他の学校を出て通っている人や、東北新社からドラマの仕事をいただいている人もいて、私よりキャリアのある方もいらっしゃいました。仕事をしていなくても、すごく理解力のある方や、映画がものすごく好きな方などがいて…。これは勝てないだろうなぁと、早々に思っちゃいました。でも、せっかく通っているので、吸収できるものは全部吸い取ってから卒業しようと思っていました。

意欲的な方が多いクラスだったんですね。映像テクノアカデミアでは、どんなことを学びましたか?

そうですね。何よりも第一線で活躍している先生方から、直接添削やアドバイスいただけるのが勉強になりました。
印象に残っている言葉をあげると、田尾先生からは「ただ、横の物を縦にするように、セリフを機械的に英語から日本語に直しただけではドラマを訳したことにはならない。それだけでは、ただの平面的なセリフの羅列になってしまう。なぜこういうセリフにしたのかと、セリフの奥にある深い部分まで読み取らないと浅い解釈になってしまう」とか。
水谷先生の「翻訳者は観客でいてはいけない。制作側に立って作品の良さをPRするのも重要な役目だ」とか。
小川先生の「翻訳者は文法書や英文解説書などを常に手元に置いて、それを参照しながら仕事をすべし。いろいろな作品の背景には、キリスト教文化とか歴史があるので、歴史や文化をしっかり勉強しなさい」など。
実際に授業の中で、あるSF作品を取り上げた時に、クリスチャンからみるとこういう思想が盛り込まれている、と解説してくださって。私も大好きな作品だったんですが、キリスト教文化を感じたところなんて全くなかったので、目からうろこでした。その部分を翻訳に出すかというと、また別かもしれませんが、知っているのと知らないのとでは訳し方も変わっていくのかなと。
林完治先生のゼミも出ていたんですが、先生は「翻訳者は、みんなの記憶に残るいい字幕やいいセリフを書いてやろうと思って、一語一句、すごく練ってくるんだけど、観客はそういうセリフばかり見せられると疲れるから、素直に訳すところは素直に訳せばいい」「翻訳者は新聞や小説を読め」とか・・・。
先生方から、ただ英語を日本語に訳すのではなくて、いろいろなことを理解していないと翻訳はできないと、さまざまな形で教えていただいたと思います。

そういえば、岡部さんはフリーで活躍なさっている現在も課外講座を受けておられますよね。「もう必要ないんじゃ」と思っていたんですが…。

吹替は収録現場に行ったりしますが、基本的には翻訳というのは孤独な作業なので・・・。
だって、あの林完治先生や第一線で活躍している先生方に、自分の翻訳を直接チェックして、細かく添削していただける機会なんて、本当に貴重ですよ!

ありがとうございます。ご好評いただけて感激です。ところで、特に印象に残った授業はどんな授業でしたか?

声優科とのコラボレーション特別授業※ですね。
声優さんがどんな形で仕事をしているのか、収録の現場でディレクターさんがどういう指示を出しているか、声優さんがセリフの言い回しに苦労しているときは翻訳が悪いからだとか、翻訳から収録までの一連の作業を見渡すことができるのは、なかなかない機会なので、すごく勉強になりました。

※映像翻訳科と声優科が協力して海外ドラマの日本語吹替版を作る特別授業。映像翻訳科の学生が吹替翻訳をし、その台本を基に声優科の学生がアフレコを行う。最終授業では、録音スタジオに入り吹替ディレクターの演出を受けながら、海外ドラマ1作品を完成させるユニークな授業。

岡部さんの時の課題作品は、先ほど大好きだとおっしゃっていた「フレンズ」でしたが、感慨深かったんじゃないですか?

リアルタイムで見ていたんで、それはもう感慨深かったです!
ずっと字幕で見ていて、吹替で見たことがなかったので、吹替になったらどうなるんだろう?という興味もありました。班の中でも見たことがない人が半分くらいいたんです。ですから、「この人はこんなキャラだよ」と教えてあげたりして、とても楽しかったです。
そうそう!先日ある作品で、コラボレーション特別授業の時に、同じ班で声優のリーダーだった方と再会したんです!すごくプロ意識の高い方で、朝10時からの収録なのに5時には起きて声が出るようにウォームアップしているそうなんです。お互いプロとして、仕事の現場で会うことができて、すごくうれしかったですね。

お互い夢を叶えての再会なんて、感動ですね!関係者として、こちらも非常にうれしいです。
質問に戻りますが、映像テクノアカデミアに入ってよかったことはなんですか?

それは、東北新社がバックにいることだと思います。
私はずっとドラマの翻訳がやりたいという思いがありました。東北新社からのお仕事は、みんなが知っているメジャーな作品が多いので、そんな作品に出会えるチャンスをいただけたことが何よりうれしいです。それに、実際に劇場公開作品の翻訳をされている先生方やディレクターさんのお話しも聞けて、とても実践的だったと思います。

これまで岡部さんが担当した作品で、一番印象に残っているお仕事ってなんですか?
やはり、最近話題になった「ブレイキング・バッド」ですか?

そうですね。「ブレイキング・バッド」は専門用語も多くて難しかったですね。けれど、やはり話題になっただけあって、大学の時の友達から「あれやったの?」と連絡が来たりするほど反響が大きかったです。
最近では、航空機内版でウディ・アレン監督・脚本の「マジック・イン・ムーンライト」という映画の吹替翻訳をしました。ロマンティック・コメディーだったんですが、アカデミアの授業でウディ・アレンの「マンハッタン」が課題で出たことがあって、その時、彼の作品を何本か見ていたので、「私でいいのかなぁ」と思いながらも、うれしかったです。

ウディ・アレンはセリフが多いことで有名ですよね?

そうなんです。とても楽しくて、とても大変でした。「ブルージャスミン」ほどのセリフ量ではないですけど…(笑)。やりがいのある作品でしたね。

岡部さんが翻訳する際に気を付けていることってなんですか?

以前、吹替ディレクターさんに「声優が気持ちを乗せやすいセリフになっていない、映像に語らせるところは語らせるように」と指摘されたことがあって、「どうしたらいいですか?」と聞いたら、「とにかく場数を踏むしかない。そして、語彙を増やせ」と言われたんです。
それで、国内・海外問わずドラマを見ているときも、印象に残ったセリフを書き残すようになりました。警察ものだと「現場に急行せよ」といった決まり文句や、結婚式の誓いの言葉や教会での説法など。普段使わない言葉は分からないものが多く、軍ものの時に「起きろ、起きろ」と翻訳していたら、「起床、起床」元自衛隊員のディレクターに直されたりしました。気になったセリフがあったら、取りあえずメモして、あとでジャンルごとに分けて整理しています。

それは、すごいですね。メモはどれくらいあるんですか?

ノートで、結構な量あります。本当にくだらないことも書いてあるんですが、意外と参考になります。
参考になるといえば、YouTubeも見ています。ドラマの翻訳とかで、アイスホッケーとかアメフトの中継がテレビで流れていたりするんです。ルールは知っていても実際に中継とかは見たことがないので、なるほどなぁって。

その他に何か心がけていることってありますか?

そうですね。前にあるディレクターさんに、「声優を知っているから合わせやすい」とも言われたことがあって。「21ジャンプストリート」という作品を担当したんですが、続編の「22ジャンプストリート」も翻訳させていただいて、同じ声優さんたちともう一度ご一緒できる機会がありました。声優さんを思い浮かべながら翻訳できるので、たしかに翻訳しやすかったですし、嬉しかったです。
それと、やっぱり健康管理ですね。とにかく風邪をひかないこと。一度風邪をひいて声が出ないときに吹替翻訳をして、自分で声出し(セリフを声に出して映像に合わす作業)できなかったために、現場でセリフが合わないことがあって…(苦笑)。ディレクターにものすごく迷惑をかけたので、シリーズものなどの長丁場では絶対に風邪をひかないようにしています。それ以来、ストレッチをしたり、ウォーキングしたりしています。
あとは、いろいろな先生がおっしゃられていたことではあるんですけど、なるべく、深い意図をセリフから汲み取りたいと思っています。
私が吹替で、別の方が字幕を担当した作品の字幕を見て、「うまいこと訳しているなぁ」と思うことがあります。だから、「この言葉だ」と決めてしまわないで、推敲する時にもっと良い言葉を、セリフの本質を出せる日本語を模索したいなぁと思っています。

やっぱり、何事も健康第一なんですね。岡部さんにとって、映像翻訳の仕事の魅力というか、やりがいをどんな時に感じていますか?

吹替の場合は、収録に行って、うまい具合に進行できているとうれしいですね。
それに、(コメディー作品などの)練りに練った渾身のギャグが収録でウケた時ですかね(笑)。
魅力は、やっぱり私は、ドラマや映画が大好きなので、それに関わっていられること。その一員として作っているということだけでも、すごくうれしいです。

岡部さん自身、これからこんな仕事をしてみたいとか、目標はありますか?

最近、いただいている仕事の割合は吹替の方が多いので、そろそろ字幕もやりたいです。最近、すっかり頭が吹替になってしまっていて…(笑)。
目標にしている翻訳者さんは佐藤恵子さん(東北新社 音響字幕制作事業部翻訳室長)です。吹替も字幕もとてもお上手で、素敵なんです。それに岸田恵子さん(東北新社 音響字幕制作事業部翻訳室)にも憧れています。尊敬する、憧れる翻訳者さんの翻訳を見ていると、これが本当のプロだな、自分にはこんな翻訳ができる日が来るんだろうかと思いながらも、目の前の仕事に全力投球しています。

これから映像翻訳者を目指す在校生に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします。

長くやってると、必ずチャンスが来る、ですかね。
長く、諦めずにやっていれば、私でもなれたので…。
今はフリーランスなので、一つ一つの仕事が通信簿というか、駄目だったら次がありません。だから不安になるときもあるんですが、いまでも先生に相談すると丁寧にアドバイスいただけたり、長く温かい目で育てようとしてくださっているので、安心して飛び込んでみて!と言いたいです。

ありがとうございました!今後もますますご活躍されることを楽しみにしております!

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