映像テクノアカデミア

東北新社の学校だからプロへの近道!

業界トップクラスのノウハウと技術
サポートがあなたをプロにする

映像翻訳科

TRANSLATOR

映像翻訳科のSNS

映像翻訳科の公式ツイッター映像翻訳科の公式facebook映像翻訳科の公式インスタグラム

映像テクノアカデミア

MENU

映像翻訳科|東北新社の学校だから力が身につく!
プロへの近道!

「自分はできない」なんて諦めるな!もっと積極的に…!

平田百合子 映像翻訳者/2004年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業


2004年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業
[劇場] 「BORN TO BE WILD 3D 野生に生きる」(吹替)
[放送] 吹替作品:「BONESボーンズ」(一部字幕も)/「ゴースト 天国からのささやき」/「レベレーションズ-黙示録-」(字幕も)/「ぽこよ」(絵本の翻訳も)/「ベートーベン・ウィルス」/「メリは外泊中」/「窈窕淑女」
ボイスオーバー作品:「ハーフ・ザ・スカイ ハリウッドにできること」/「未確認動物を追え!」/「ペスト―恐怖の伝染病」/「グリーンベレー:静かなるプロ」
[ビデオ・DVD] 吹替作品:「ポイントプレザントの悪夢」(シリーズ)/「トゥルー・グリット」/「リトル・ミス・サンシャイン」/「白雪姫と鏡の女王」/「ネイビーシールズ」/「パラノーマル・アクティビティ3」/「GALACTICA:スピンオフBLOOD&CHROME/最高機密指令」/「遊星からの物体X ファーストコンタクト」/「デビル・インサイド」/「イントゥー・ザ・ブルー2」/「Mr・ビーン カンヌで大迷惑!?」/「マイ・ファーザー」/「ストンプ!」/「オープン・ウオーター」/「ふわっとアルバート」/「大統領のカウントダウン」 
ボイスオーバー作品:「不都合な真実」 
字幕作品:「アッテンボローの植物の世界」 他

映像テクノアカデミアは設立されて既に13年(2009年インタビュー現在)。それだけに映像翻訳業界で活躍されている卒業生達も数多くなり、なかでも女性の姿が圧倒的に目に付くのが実情です。映像翻訳という仕事が家庭でも可能なこと、ひょっとしたら家事、子育てと両立できる可能性のあること、これらが女性の活躍が目立つ原因の一つかも知れません。今回インタビューを引き受けていただいた平田さんも、家事と翻訳業を見事両立させている翻訳者の一人です。主婦業、子育てをこなしながら、どのようにしてプロとして一本立ちしたか、詳しく聞いてみました。映像翻訳者を希望している数多くの女性達にとって、きっと参考になるお話が聞けるものと思います。

まず始めに、平田さんがアカデミアに入るまでの経歴を教えていただけませんか。

某女子大の英文科を卒業しまして、発展途上国から日本に研修に来る方達のアレンジメントをする財団法人に勤めていました。そこでの主な仕事は通訳です。「ハリーポッター」を翻訳された松岡さんもこちらで通訳をやっておられたようで、言わば大先輩になりますね。

と言うことは…翻訳の基礎的な素養は、もともと持たれていたということですね。

通訳でしたからそれは言えるかも知れません、少なくても英語だけは昔から好きでした。

通訳は続けられなかったんですか?

とりあえず子育てで精一杯になってしまったんです、仕事を始めて7年目くらいでしょうか…二人目の出産のときに退職し辞めるしかなくて、それからずっと子育てでした。実は子供が病気になったりとかで、家庭が大変だった時期があったこともあり、少し大きくなるまではズーッと子供と一緒…ほんとに、子育て中は子供一色の記憶しかありません。

それじゃ、英語の訓練はどうしていたんですか?休むと力が落ちるでしょう…

そうなんですが…でも、時々受験生に家庭教師をやっていたくらいなんですよ。ホントに、あとはなにもしてはいませんでした…それより芝居や映画が好きだったんで、子供と一緒に市民ミュージカルに出たり、「子供劇場」という団体で活動していたことの方が、記憶にあります。

だんだん映画に近づいてきましたね(笑)…それで、「子供劇場」ってどんな団体なんですか?

子供達に、プロの劇団のお芝居を呼んできて見せたり、自分達のオリジナルの企画で寸劇や人形劇をやったりする団体です。メインはとにかく私たちの市に劇団を呼び、公演をすることです(ちなみに私たちの市とは我孫子市です、参考までに)。話せば話すほど、子供一色ですね…(笑)

なかなかアカデミアに近づきません……

それじゃ少し時計を早めて(笑)…病気だった子供が元気になって、小学校にも通うようになってからだったと思います、少しずつ心の余裕が出てきたので、好きな芝居や映画にどんな形でもいい、なんとか係われないか、いろいろ考えるようになったんです。こんな時でした、雑誌に出ていたアカデミアの広告が目に止まって、すぐ「これだっ!」って決心しました。

どんな雑誌ですか?

通訳・翻訳ジャーナルです。

翻訳を目指すほとんどの皆さん、この雑誌を読んでいますね…ところで、ようやく全てが繋がって理解できました。子供さんのためもあったんでしょうが、お話を聞くにつけ…「子供劇場」の活動は平田さんの趣味のためでもあったような気がしてきました(笑)。子供さんが自立して親から離れて行くにしたがって、平田さんも今まで以上に自分の好きな世界に、一人で入って行く…それが映像翻訳だった、あたっていますか?

なるほど。そう言えると思います。第二の青春ですね。(笑)

さてそれで、アカデミアの広告ですぐ決心されたのはどうしてですか?

当然ですけど、いろんな翻訳学校の資料には目を通しました。でも小さい頃から、「東北新社」という会社名をドラマや映画のクレジットで見ていましたし、この名前が目に入るともう自然に「洋画」「吹替」「翻訳」というワードが浮かんできてしまう、だからアカデミアを選ばざるをえないでしょ(笑)…

刷り込みですね(笑)。そんなに「東北新社」というクレジットの記憶は残っていますか?

はい、勿論。これを言うと年がばれてしまうので(笑)…避けたいんですけど……テレビが大好きで、特に海外ドラマを見まくっていたんですよ、「大草原の小さな家」「バイオニックジェミー」「チャーリーズ・エンジェル」…それから12chでやっていた午後の洋画劇場の数々、何十年前でしょう(溜め息)…刷り込まれてしまったんですね(笑)。それで今も夢中で「FOXチャンネル」とか「スーパー!ドラマTV」とか、家事そっちのけで見ています。

インタビュアーとして、平田さんの第一の秘密にようやく行き着けたので、ホッとしました(笑)。話を戻して…くり返しになると思いますが、通訳として長いキャリアをお持ちでしょ、通訳に戻るという選択肢はなかったのですね?

お分かりと思いますが、ないですね。私のやっていた通訳は主に産業通訳と言って、そうですね…工場や発電所なんかに行ったり、日本経済についての講義を通訳したりで、内容はかなり硬いものでした。通訳の仕事は勉強になりましたし(その時の経験は今も役立っています)、色々な人と会えることは楽しかったんですが、映画やドラマの魅力の方が大きくて…ですからアカデミアの広告に出会ったとき、迷いはありませんでした。

アカデミアの授業はどうでしたか?映像翻訳は通訳とは違いましたか?

全然違いました、ある意味カルチャーショック!(少し大げさか!)だいたいからして、やればやるほど勉強することが増えてくるんです!(笑)トライアル資格を持てるまでに2年から3年でしょ、もっと短くできないか、なんて考えていたんですけど、とんでもないことでした。3年でも全然足りなくて……

足りない内容を、もう少し詳しく説明していただけませんか?

通訳は、勿論通訳する分野のことを幅広く知らなければなりません。でも基本的には、ヨコのものをタテに、その場でどれほど分かりやすく訳せるかがポイントです。映像翻訳は通じさせるのは基本ですが、そのためにいかに適切な日本語を探し出すか、そしてもっと言えば、どうやって心を打つ日本語を探せるか、だから英語より日本語が勝負のポイントになると感じました。

だから「あー、もっと本を読まなければいけないのか…」「じゃあ、今度は日本のシナリオを読んでみよう」とか、私知らなかったんですけど表現についての辞典があるんですね…だから、やらなきゃならないことが芋づる式に出て来るんですよ。勿論、学校では「吹替」や「字幕」のノウハウや考え方について、教えてはくれますよ。

例えば「翻訳者としてどういう姿勢で取り組むか」つまり「ある疑問が出たら、このポイントからこんなこと、あんなことを調べなくてはいけない」「英語のこの部分を理解する為には、文法をもっと調べなくてはいけない」などなど、随分、先生に教えられたと思います。でもこの教えられた「姿勢」っていちばん大事なことは、要するに、「自分で考え、自分でやれ!」っていうことなんですね。だから「自分のもの」にするには「自分で考え、自分でやるしかない!」(笑)

こういう事を先生達に教えられ、気付かされた…どの先生が印象的でしたか?

ひと言では言えませんね(笑)、皆さん第一線で活躍中の、それだからこそ印象的な方ばっかりですから(笑)…そして、教えて頂くことがそれぞれ違うんですよ…例えば「物語の流れに流されず、きちんと英語を突き詰めて解釈しろ、でないと誤訳になってしまう」…

こんなこと、当たり前ですよね…でも実践で、どんなに辻褄が合わないことでもじっくり英文を見てみると、小さなSがついていたり…「are」ではなくて「were」だったりとか、細かいところまで突き詰めて考えてみると、正解が出てくることが多いんです。いま実際に仕事をしてみて実感しています…でも…一方では「日本語の流れを大事にしろ」とも教えられました。

特に島先生には厳しく言われましたネ。例えば…実習なんかでは、泣きたくなるくらい色々と赤いチェックが入ってきました。「こういう流れじゃここ分からないでしょう、もっとこういう表現にすれば分かるようになるんじゃない…」という感じで、「日本語として不自然!」としょっちゅう言われました。

この経験が染み付いているのかも知れませんけど、今でも、翻訳をやっている時、島先生が後ろに現れて「日本語!」って叱られそうな気がする時があるんですよ(笑)。ドキッとするんです(笑)…

(ここで少しの説明:島先生は映像テクノアカデミア「映像翻訳科」の教務主任で、数年前惜しくも亡くなられた先生です。ここでは、島先生の教えが卒業生の中で、ちゃんと生きていることが語られているわけです)

このような、ある意味では正反対の教え、平田さんの中でどのように消化されているんですか?

消化というか…両方とも正しく、繋がっているんです、だから両方を実践しないとだめだと、今では特にそう感じます。

ほかに、授業で記憶に残っていることってありますか?

そうですね…これは卒業してからのことになるんですが、林完治先生に言われた「フリーでやるからには楽しまないと…」という言葉も、とても心に残っています。悩んでガチガチになっていた時に、その言葉をかけて頂いたので、肩の力が抜けたというか…一本立ちした今思うと、本当に「なるほど!」と納得します。

林先生っていつも殺人的なスケジュールをこなされていると思うんですよ、でもすべて楽しんでやられているなって、お会いするたびにそう感じます。それにビックリするくらい多趣味の方ですし、いろんなところに連れていってもらいました。

初めて聞きました、課外授業?もさかんにやられていたんですか?

ご存知なかったですか?私たちのクラスとてもお喋り好きが多くて、毎回授業の後はかならず「呉さんの厨房」に先生を引っ張って、飲みに行ってたんです。

(ここで2番目の説明:「呉さんの厨房」は「ウーさんのチュウボウ」と言います。アカデミアのすぐそばにある、台湾料理を出す脱力感あふれる居酒屋で、調査?の結果、平田さんがアカデミア生だった時代に限らず、今でも翻訳科の溜まり場となっているお店です。)

引っ張られたのは、例えばどの先生?

最初の2年間では、ほとんどの先生にお付き合いいただきました(笑)。水谷先生、林先生、島先生、川本先生、…それと…時には平田勝茂先生、岩佐先生、岡田先生…(先生のお顔は講師一覧をご覧下さい)、そうだ!思い出しました、先生方からは「拉致グループ」という名前までつけられていました(大笑)。

授業が終わると「さぁ行きましょうか!」という具合で…基礎クラスの授業は週1回なので飲み会も週1回、研修クラスに上がると授業は週2回でしょう、まさか2回にはならないだろうって勝手に思っていたら、ちゃんと2回の飲み会でした(笑)……何をあんなに話すことがあったのか…今でも不思議です。

でもこれだけはちゃんと言えるんですが、時には(いや、いつもかな?…)落ち込むわけですよ、「翻訳無理かも…」って、だって解釈を間違えたり、日本語の流れがおかしいのを平気で気にもしなかったり、宿題はできないしで……でも先生方に翻訳のこと、お仕事やプライベートのことを聞かせてもらったり、仲間とざっくばらんにワイワイやると、不思議に活力が湧いてきて、「諦めちゃいけないんだ!」って、きっとそう思えるようになるんです。

本当に楽しかったんですが、でもこれで何回励まされたことか…今思えば、お忙しい先生方なのに本当によくお付き合いくださって…勉強を続けられたのは、熱い先生方の課外授業があったせいかも知れません(笑)。

アカデミア授業の隠れた、しかも一番大きな特徴を聞かせてもらいました(笑)。事務局も課外授業の秘密まではつかんでおりませんでした(笑)。

翻訳っていうのは一人で行う、孤独な作業でしょう。でも先生方、お話は皆さんとてもお上手なんです。盛り上がったのはこのためだと思います……

さて、そんな学校生活から卒業ということになるわけですが、実際の仕事はどのようなきっかけで、始まったんですか?

仕事に出合ったのはだいぶ経ってからですね。卒業した後、もう一年総合セミナーに通っていたんです、この間、ほとんど仕事はいただいていませんでした。たぶん、トライアルの成績があまり良くなかったんですね…だから仕事に出合うのも遅かった…当然ですけど「私はもうダメかもしれない…」っていう気持ちにも襲われました…こんなときでした、アカデミアの先生に頭をガツンとやられたんです。

どうも、ある作品に私を推薦していただいたようで…ある先生に東北新社に行けと言われたんです。何しろ初めての経験でしょう、私がグズグズしていたら、「あなたね、最初から自分はダメだと思っているんでしょう、出来ないなんて諦めずに、もっと積極的に行かなきゃダメです!」って背中を押していただいたんです。今思えばターニングポイントです…本当に感謝しています。

想像できますね…首を長くして待ち望んでいた仕事とは言え、なんの心の準備も無い、突然で始めての経験……それに「行け!」と言うことは営業もしてこい、ということでもあるわけですよね…

そうだったんでしょうね(笑)…ホントに自信が無かっただけに、億劫でした。それに翻訳者で営業の得意な人少ないんですよね?(笑)…(言い訳か?)でも、今思うと反省することが大なんです。だいたいからして、アカデミアの先生方を見れば分からなくてはいけなかったんですが、自分で道を開く勇気に欠けていました。

それで、事は順調に運んだんですか?

案ずるより産むがなんとか…で、お仕事はなんとか納品でき、お陰さまで、それからも割と順調にお仕事をいただけるようになりました。でも、失敗も多いんですよ…その度に落ち込んでいますけど…

結果論ですが、どうしてあんなに悩んだのか、不思議な気持ちでしょう(笑)…それで、今はどんなペースで仕事はやられていますか?

60分作品を週に1本ずつ、というところでしょうか。吹替ですと録音にも立ち合ったりしますので…

アフレコの現場は必ず立ち合いますか?

そうですね、可能な限り行くことを心がけています。私のような新人の場合は、シリーズ作品なんかは、行かないと翻訳が進まないとさえ思っています。特にレギュラー声優さんについては、その人の演技の特徴、喋り方の特徴を掴むことで、その役に合った台詞が書けると思うんです。

それに現場ではよく台詞は変わるでしょう……当たり前なんですよね、頭の中でベストの台詞だと思っていても、実際に声優さんが演技で喋ることで、台詞が変わるのは当然だと思うんです。立ち合う意味はここにあると考えます。それと…もう一つありました…翻訳の仕事は悩んだり…悩んだり(笑)…の連続なんですけど、こんな時録音の現場に行くと悩んでいたことの答えが出る気がするんです。

それに、クライアントも同席するときもありますので、いやでも台本について相談しなければなりません、生意気な言い方になるかもしれませんが、いつのまにか作品を創る上での同志になれた気がして…その上、苦手な営業にもなっていたりして(笑)……

台詞が変わるのは、俳優さんの実際の演技によることもあるんでしょうが、ディレクターの演出の仕方にもよりますでしょう?

そうですね、こんな台詞もあったのか…ってハッとすることもたびたびです。それ以上にディレクターさんて「すごい!」と思うのは、私たちが翻訳するときは色々とイメージを膨らませて翻訳するわけですが、実際の台詞になるのは、そのイメージのごく一部だと思うんです、その一部の台詞を読み込んで、私たちのイメージとピッタリのキャスティングをしてくる…感心してしまいます。だからこそ、いいキャスティングをしてもらう為にも、いい台詞を書かなきゃって、いつも思うんですが、思うだけで現実は……(笑)

いい台詞を書くために、心がけていること、何かあったら教えていただけませんか?とても難しい質問と、分かってはいるのですが……

私のような新人が、とてもそんなこと言えないですよ(笑)……そうですね……(遠くを見つめて…)心がけているということではないのですが、自然にそうなってしまうのは、翻訳している最中にどんどんと役に入りこんじゃうことです。自然にそうなってしまうんですが、心の隅では、心がけているときもあります。自分で翻訳した台詞は必ず声に出して読むこと、演じること。

一人で十人くらい演じることはザラなので、ご近所さんからは「この家、変な人がいるんじゃないか?」と、思われているのかも知れません(笑)。子供からも「恥ずかしい!」ってよく言われます。そうそう…初めてのシリーズ作品だったんですが、「やまとなでしこ」の韓国リメイク版の台詞創りをやったときでした。

これは翻訳ではなく、素訳翻訳を台詞に創って行くというお仕事なんですが、昔の少女漫画のような作品なので、私がヒロインになり、ヒーローにこんな言葉をささやかれたら「ウレシイかも…」って想像しながら台詞を創っていました、最後は自分自身がメロメロになっちゃいました(笑)。よく考えると、これって心がけじゃなく、自分でただ楽しんでいるだけとも言えますネ(笑)。

でも実際に声に出す、役になって見る、これは全部日本語として成立し、流れているか、少なくとも自分で良い言葉と思えるか、の確認ですよね…言ってみれば島先生の教えの実行じゃないですか?(笑)…

今まで私、気がつきませんでした、言われてみれば…そうですよね(笑)……自分で演じるのが好きだから、とばっかり思っていました(笑)…

ところで、こんなお母さんのこと、お子さん方はどう思われているのか、ご存知ですか?

質問がますます難しくなってきました(笑)。よく分からないんですよ、正直なところ……私は仕事をやりだすと、どんどんはまり込んでしまって、あげくの果て家事はそっちのけ(小声で…)になってしまうんです。翻訳を始めた頃は、家事と両立させなきゃと思ってとにかく必死でやっていたんですが、しばらくするとだんだんと時間配分やペースがつかめてきて、空いた時間は家事なんかそっちのけで、子供と映画に行ってしまうとか…そうか!結局家事はしてないですね(大笑)。

今、お子さんは何年生?

女の子2人で、上が大学生、下が中学生

それじゃ、お手伝いはしてくれるでしょう?

いえ、逆にほったらかしにされています(笑)…手伝わないかわりに、家の中がよごれてても文句は言わない。お互いが、好きなことをしているんで、これがちょうど良い関係なんでしょうか…

結局、お母さんが好きなことをやっているから、これ幸いに子供さんたちも自分の好きなことができる、親に文句を言われる筋合いはないと思うでしょうね、だから逆にすでに好きなことを見つけられて実践している…今の時代、なかなか自分の好きなことを見つけられない子供が増えている事を思えば、ある意味理想的なんじゃないですか?(笑)

そう思われますか?分からなくて悩んでいるんですが……有難うございます。少し自信が出てきました(笑)…

最後に、平田さんから見て「映像翻訳の面白さ」…どのようなものか、あれば教えていただけませんか。

まず翻訳そのものが楽しいこと(キッパリと!)、次に、とにかく芝居が好きなので、その台詞が作れるのは楽しいです。吹替では役者さんがどう演じるかを想像しながら台詞を考えたり、字幕では原音の感動を伝えられるような言葉を探す、私にとってこれほど面白い作業はありません。

それと自分が翻訳に携わった作品が「面白かった!」と言ってもらえたり、好意的な記事があったりすると、本当にこの仕事をやってよかったと思います。それと…それ以上にもう一つありました、子供達が見て、面白かったと喜んでくれたとき、これは一番の幸せです。

昔、通訳をやっていたごく普通の女性が、家庭に入り、子供を産み、育て、家事をこなして行く…そうする中で、少しずつ自分自身の時間を持てる余裕が出て来、再度の社会参加を目指そうとする……英語の素養があり、映像、演劇などに興味を持っていれば、映像翻訳は多くの人々が目指す道と今ではなっています。この意味では、平田さんはごくごく普通の道を歩いたと言えるでしょう。家庭の主婦が映像翻訳者になる、これは一昔前と較べ、今では珍しいことではなくなりました。ただし大事なのは、少しのやる気、少しの積極性、そして如何に家族の理解・協力を得るか……こんな当たり前のこと、しかし努力の必要なことがらが、平田さんのお話を聞くことで今更のように納得できたのです。

さあ、東北新社の学校へ!アカデミアへ出かけよう!

  • 今すぐもらえる 資料請求
  • 技術も磨ける 授業見学
  • 奨学金制度もある 受講申込

学校説明会やイベントも不定期で行っています。くわしくは各学科ページからご覧ください。

〒160-0022 東京都新宿区新宿1-18-14東北新社新宿ビル
映像テクノアカデミア TEL:03-3352-7084
職業紹介事業者免許No.13-ユ-309340

Copyright © 2023 映像テクノアカデミア All Rights reserved.