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わが修行の場「ER緊急救命室」

竹本浩子 映像翻訳者/1997年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業


1997年3月 映像翻訳科・映画翻訳専科卒業
【作品歴】
[放送]「マイケル・J・フォックスのスピンシティ」「ブルック・シールズのハロー!スーザン」 「トータルリコール2070」「ホミサイド/殺人捜査課」「イリュージョン」 「エバーウッド 遥かなるコロラド」「F.B.EYE 相棒犬リーと女性捜査官スーの感動!事件簿」 「新ビバリーヒルズ青春白書」 他多数 以上シリーズ
  [ビデオ・DVD]「マイアミ・バイス・FREEFALL」「メイド・イン・マンハッタン」 「ワイルド・ソーンベリーズ イライザの冒険」 「ポロック 2人だけのアトリエ」「マッケンナの黄金」 「神に選ばれし無敵の男」「ラグラッツのGOGOアドベンチャー」「ペーテルとペトラ」 「スティーブンキングのデスペレーション」「スパングリッシュ」 「ヘンリープールはここにいる~壁の神様~」「シークレット・パラダイス」 「君のためなら千回でも」他多数
上記全て吹替作品

今回出演していただくのは、テクノアカデミア第1期生の竹本浩子さんです。
映像テクノアカデミアは開校してから、今年2010年3月末をもって満15年。ということは、1期生である竹本さんは開校した15年前に入学、2年間アカデミア在籍の後13年と少し前に卒業されたということになります。

当時のアカデミアの様子は今と大きく違っており、入学方法、カリキュラム、講師陣、果ては仕事との出会い、特に「ER緊急救命室」との出会いや長年のご苦労には、今の卒業生にとって興味津々であり、と同時に驚くことばかりでしょう。
そして卒業されてから、どのような作品に出会ったか、いろいろ伺ってみました。ぜひご覧ください。

月並みな言い方ですけど、卒業されてプロになってからもう13年強・・・・
10年一昔といいますがスピードの速い今は二昔って言う方がピッタリ来ますね(笑)・・・

夢中で、あっと言う間でした(笑)

一期生の方にこのように出ていただけて、私たちも面白いお話がお聞きできるんじゃないかと、期待しているんです。
ところで同期の方々とは、連絡をとったり、お会したりはするんですか?

会う機会は最近は減りましたけど、でも年に1~2回は一緒にご飯を食べたりしていますよ。

同期生というと誰あたりになるんでしょう?

東北新社・翻訳室の尾形さん、字幕課の池村さん、フリーの赤池さん、千葉さん、矢田さんとか・・・・(注1)

注1 : 尾形さんは東北新社・音響字幕制作事業部翻訳室所属の映像翻訳者、池村さんは東 北新社・音響字幕制作事業部 演出部字幕課主任。赤池ひろみさん、千葉真美さん、矢田恵子さんは、いずれもフリーで活躍中の映像翻訳者です。

今でも活躍中の優秀な方が多いですよね。その中でも竹本さんは特待生だったとお聞きしています(笑)・・・・

やっぱりそのことが出てきますか!(笑)照れます!(笑)

開校当時の「映像翻訳科」は入学試験がありました。応募者多数で、記録 によると30名が一期生として入学したようです。

結構難しい試験だったと記憶しています、それに面接試験もありました。
初年度のクラスが今で言う「研修クラス」、でも週2日授業で2年間、それで卒業でした。私たちが卒業してから、2,3年後にどうも3年制になったらしいって聞いた覚えがあります。

応募者が多くなって、入学試験を廃止した代わりに3年制にしたらしいの です。この後でもう一回、大きくカリキュラムが変わっているんですよね。 竹本さんの頃の授業の様子はいかがでしたか?

一番記憶に残っている授業を説明しましょう・・・・
アカデミアに来る方はだれでもそうなんでしょうけど、私も昔から映画は好きでした。だから映像翻訳はどのようなことをするかは、少しは分かっているつもりだったんです。でも実際に吹替の授業で、スタジオで現役の声優さんが来て、現役のディレクターが来て、自分の作った台詞が日本語版になる実習を受けたときは「こんなことだったんだ!」という確認が出来ました。
学校であんな経験はなかなか出来ないと思います。

アフレコ実習のことですね。現役のディレクターが吹替の実習授業をやるなんていうのはいかにも東北新社の学校らしい・・・・この授業は今でも続いています。

翻訳者が作った台詞は書かれた文字であって、本当の台詞じゃありません。演技をされてこそ本当の台詞になる・・・・あの授業では本当にこのことがよく分かりました。 ディレクターは翻訳者と役者の両方を同時に見ることで、演じられた台詞ということについて繰り返し指摘してくれるんです。
つまり・・・・たとえば駆け出しの翻訳者は、翻訳が正しくても日本語になっていない台詞をよく書きます、でもそんな台詞は演じることが出来ません(笑)・・・・・書き言葉は話し言葉になったとたん、世界が違ってしまう・・・・ディレクターに指摘していただいたことを私なりに解釈すれば、こんなことだと思います(笑)。

吹替の作業で、翻訳者の一番陥りやすいところですね・・・・

授業じゃないんですけど、あと印象に残ったのは木原先生(注2)でした。おっしゃることがきつくて(笑)・・・・
「食えると思うな!」とか「諦めたほうがいい!」とか・・・・一度聞けば忘れられないですよ(笑)。それと佐藤一公先生、あの方も良い悪いがはっきりしていて、ズバズバとおっしゃって、結構厳しかった記憶があります(笑)。

注2 : 木原たけし:映像翻訳者の草分け的存在。アカデミア開校当時は講師を務められていました。
代表作「奥さまは魔女」「ヒッチコック劇場」「刑事スタスキー&ハッチ」 「地上最強の美女 バイオニック・ジェミー」「スパイ大作戦」 「ER 緊急救命室」その他多数

お二方、地上波の洋画全盛時代のスター翻訳者ですよね。今でもそうなんですが、アカデミアの講師陣は本当に贅沢だと思いますよ(笑)

じゃ、贅沢ついでにもう少し(笑)・・・・翻訳者以外でもいろいろな方が来られて、幅広く教えられました・・・・
シェクスピアとか、聖書とか、映画史とか、本当にいろいろ・・・・私はアカデミア以外にも別の学校に行っているんです。そこでは1年間ズーッと同じ先生でしたから・・・・だからこそなのかも知れないんですけど、毎週のように先生が変わるというのは面白くて、いろんな経験が出来たと思っています。

そうなんですか、アカデミアの他があったんですか(ビックリ)・・・・ちなみにズーッと同じ先生のお名前は?

鈴木導(おさむ)先生(注3)です。

注3 : 木原先生と同様、日本語版吹替翻訳の草分け的存在。
代表作「モーガン警部」(シリーズ)「大空港」「ランボー」「ダーティハリー2」 「ハワーズ・エンド」その他多数

二度ビックリ!です(笑)、この方も業界の草分け的な方ですよね・・・・インタビューをアカデミアのことから始めてしまったので、お話が飛び飛びになってしまいました。すみません、お話を最初に戻させていただきます。

竹本さんが映像翻訳にかかわったきっかけのようなところから、順序良くお聞かせいただけませんか。最後に鈴木先生に辿りつけたらと思います(笑)・・・

まずなんと言っても映画好き、それも海外ドラマファンだったんです。
映画よりも海外ドラマ、だからかもしれませんけど、海外の作品を字幕で見るのではなくて、吹替ファンでした。
それに大学は女子大の英文科でしたので、自然に翻訳と映像は結びついていたんです。でも憧れだけで・・・・今のように門戸も開けていないし、こういう業界にどうやって入れば良いかもわかりませんでした。
あの頃はCSなんかもまだない時代で・・・・無理だ!と思うのが自然ですよね。ですから卒業のときは普通に就職するしかなかったんです・・・・・

就職されたのはどのような職種ですか?

SE、システムエンジニア!

!!・・・・・・

驚かれたでしょう(笑)。私の卒業当時はSEが足りないからって、文系からも人材募集をしていたんです。何も知らなくても良いからっていう感じでした。

翻訳とは異次元の世界(笑)・・・・想像するに、相当忙しかったでしょう・・・・

とっても・・・・(笑)時には徹夜もしましたし、休日出勤は普通でした。

そんな竹本さんが、翻訳に舵をきり始めたきっかけは?

普通には働いていたんですけど(笑)・・・・・結局は興味が持てなかったのかも知れません、結果論ですけど・・・・
入社して3年目くらいから、転職を考えだしました(笑)。こんな状態をずっーと引きずりながら、4年目の半ばぐらい・・・・本当に辞めて次を考えようと思っていた矢先、アカデミの開校の広告を見てしまったんです。
それが94年の秋ごろだったと記憶しています。

アカデミアの開校が95年の春ですから、前の年あたりからさかんに宣伝活動はやっていたんでしょう、それを見たということになるわけですね。
ご覧になったのは新聞とか、雑誌とかそのようなものですか?

翻訳の学習雑誌です、「通訳の世界」かな?・・・・・東北新社の名前は以前から知っておりました。ですから、ここに通えば海外ドラマに近づけるんじゃないかって(笑)・・・・・単純ですよね。

ハハハハハ、皆さんそうだから、不思議でも何でもない(笑)・・・・と言うことは、忙しいSEの仕事をやりながら、その種の翻訳雑誌を読まれていたんですね。

ハイ、ずーっと雑誌は読んでいましたし、それだけじゃなく別の学校の短期スクールのようなものにまで行っていました。ですから・・・・この流れで鈴木先生の講座も受けたんです。

ようやく鈴木先生につながって、理解できました!(笑)。受講期間はどのくらいだったんですか?

1年です。週1回で1年間、吹替翻訳の実践的なことを習いました。
長編映画全篇を半年かけて訳していく・・・・アカデミアでも同じような授業を2年目に受講した記憶があります。

すると鈴木先生の授業が終わって、アカデミアの開校に行き当たるわけですね。

いいえ、実は2つの学校を平行して受講する形だったんです、順序よく説明いたしますネ(笑)。
SEの仕事をしながら短期の翻訳セミナーには通っていました。でも会社勤めは、’95年の3月、アカデミアに入学する1ヶ月前、早期退職制度を使って辞めてしまいました。食べていける自信はなかったんですけど、何かの運命かなと思いまして(笑)・・・・それで、アカデミア入学と同時に鈴木先生のセミナーにも通ったということです。

映像翻訳一本で行こうという・・・・背水の陣の感じがします(笑)

そうならなければいけないんですけど、実情はそれまでの忙しさから解放されて少しのんびりしたかった・・・・
とりあえず貯金はあるし、失業手当ももらっていたし(笑)・・・・・でもこの掛け持ち受講で、吹替の翻訳には早く慣れることが出来たと思っています。
こんな状態で、ようやく翻訳学習の形がととのった1年目の夏休み、「ER」に出会ったんです。

なるほど・・・・竹本さんが「ER」を、木原先生の翻訳助手として長年務められているのは有名です。大げさに言えば、「ER」の経験をお聞きしたくてこのインタビューをさせてもらったとも言えます(笑)・・・・・
どのようなきっかけで出会ったかご説明いただけませんか。

入学して最初に出会ったお仕事が「ER」の資料翻訳でした。
これが助手に選ばれた一番の理由じゃないでしょうか。あとは・・・・勤めも辞めて、私が暇だったからだと思います(笑)。

アハハハハ、シンプルなご意見で・・・・でも、竹本さんに突然話が来たわけではなく、大勢の生徒さんの中から選ばれたわけでしょう?

そうですね、面接を受けた記憶があります。
でもフルタイムじゃなくても、働きながらの生徒さんは多かったですよ。ですから、翻訳の力とかそんな事ではなくて、私が一番自由がきいて、イレギュラーな制作スケジュールに合わせることが可能だったからなんです。選ばれるにあたっての有利な条件ですよ、絶対に!(笑)

分かりました。お勤めを辞めて、映像翻訳に賭けた第一段階が成功した・・・ とでもしておきましょう(笑)。それにしても、翻訳の助手、つまり二人がかりで翻訳をしていくというのは珍しいんじゃないでしょうか。
どうして助手が必要だったんでしょう?

「ER」という作品の特殊性です。
まずあれだけカット変わりの早い、シーンの多いドラマは珍しいでしょう。だから台詞の量が普通のドラマの1.5倍、それに医学の専門用語がどんどん出てきます。木原先生が翻訳した原稿を、医者をやられている監修の方にチェックしていただき、それをまた先生にバックする、こんな作業を一週間でやるには、いくらベテランの翻訳者でも一人ではこなせません。
NHKのプロデューサーの方はここを予想して助手を捜したんだと思います。

監修の方が入れた赤を木原先生にバックするにしても、竹本さんが理解する必要があるでしょう。医学上の説明はかなり細かく聞かれるんですか?

はい、最初は微に入り細にわたりでした(笑)。

たとえば?・・・・

まず専門用語の意味や読み方分からない、監修の方の赤が入っていないところでも、私自身で意味の理解できないところが幾つもあります。そんな箇所を事細かに聞きました。
それに難しいのは、台詞の長さやブレスをオリジナルの音に合わせなくてはなりません。医学上の台詞で、長いものや短いものをどうすれば合わせることが出来るか・・・・最初は大変で唸っていました(笑)。
最後に、お聞きしたことを説明用紙に書いて、木原先生にバックして、最後に録音に立ち会って一行程の終わりです。

今まで合計で何話くらいやりました?

今年で最後で、15シリーズめに入ります。今までで通算310話ちょっと、330話弱で終わる計算になります。

ウーン・・・一言で310話と言っても、始めてからかれこれ15年でしょう・・・・大変なエネルギーだと想像できます。
だいたいからして、どんな翻訳者でも、これだけ長いシリーズに出会えるなんてめったにありません、言わばライフワークのような感じになってしまうと思います(笑)。竹本さんはあまりにも早くに、突然ライフワークに出会ってしまった・・・・ただただご苦労様と言うしかありません。

まだ終わってないんですけど、長かったことだけは確かです(笑)・・・・

医学ジャンルは怖いもの無しになったでしょう・・・・

そんなことはありませんヨ(笑)。でもおおよそは、辞書を引かなくても予想がつくようになりましたけど・・・・

医学に強いということは、翻訳者として強烈な売りになるんじゃないですか。
それとお聞きしたいのは、木原先生から教えてもらった色々についてです。「ER」という作品で、監修者との仲立ちになるということは、木原先生の原稿を直接見て、理解することです。こんな機会はディレクターじゃないとありえない・・・・感想をお聞きしたいのですが。

“駆け出し”にもならない、右も左も分からない生徒が、突然一流の方の原稿に接する、これはただビックリするとしか言いようがありません(笑)

“びっくり”の中味をもう少し詳しく(笑)・・・・

駆け出しのときは誰でもそうなんでしょうけど、オリジナルを翻訳することに精一杯なんですよね。
オリジナルがこうだから、訳せばこの日本語になり、この台詞になるというような・・・・一つ一つの英語をどう日本語に訳すか、直すかってことばっかりで、ドラマ全体、映画全体から考えてどう表現するかという視点が持てないんです。
ドラマが本当に言いたいことは何で、登場人物の気持ちはどうで、どう表現するかを考えて台詞を作ることが大事なわけで、先生の原稿はそこがちゃんと書かれています。
毎回、毎回、ドラマとしてちゃんと完成されている・・・・そんな原稿を拝見し続けることができました。

先程説明していただいた「ER」というドラマの特徴、つまりカット変わりが早く、シーンが次々と変わって、色々な事件が並列で描かれる、ですから登場人物も入れ替わり立ち替わりで、ものすごい人数になります。
それらを描き分ける腕は、力業としか言いようがありません。

あまりにもハイレベルなんで、ただひたすら勉強だと思ってやっていました(笑)。

「ER」に限らず、木原先生にはいろいろ教えてもらったでしょう、先程の「食えると思うな」から始まって(笑)・・・・・

ハイ、個人的には(笑)・・・・
翻訳については「ひとりよがりにならないように」と注意されていました。自分だけわかっていても人に意味が分からなければアウトで、誰もがスッと理解できる台詞を書けと・・・・

映画を見ている人が台詞(日本語)を聞いて少しでも”?”と躓けば、その台詞はダメなんで、余計なことを考えさせずとにかく自然に伝わる台詞を考えろと・・・・よく分かるんですが難しいんですよね(笑)。
卒業して駆け出しになってからは「来る仕事はまずは拒むな、少し無理でも経験をつめ、数をこなして名前を覚えてもらえ」って口酸っぱく言われました。でも、広く名前を覚えてもらっているかは疑問ですね(笑)・・・

「努力せよ!」ですね・・・・お話が「ER」一色になってしまいそうなので、先に進みます。
今の卒業生が聞いたらうらやましがるような色々な仕事との出会いのあと、卒業になるわけですが、最初の仕事はどんなものだったんですか?

これも運がいいといえば本当に運が良かったんですけど、私達の卒業の年はCSチャンネルの開局にぶつかっていたんです。ですから、卒業前の2月にはシリーズを頂いていました。

たしか最初の頃はトライアル試験も無かったと聞いております(本当のことです!)。
卒業前から実践の仕事、それも最初からシリーズにあたるとは、ウラヤマシイと言うより他ないです(笑)・・・・どんなジャンルの作品ですか?

南米のソープオぺラでタイトルは「イリュージョン」、全部で150話くらいのロングシリーズでした。

これも長い・・・・「ER」を手がけながらなんでしょうけど、純粋に初めからキャラクター設定も含めて、自分で翻訳したのはこの作品が初めてでしょう?

初めてでした、難しかったです(笑)。
実は一人だと放送に間に合わないので、同期2,3人のグループでやったんです。ソープオペラと言うだけあって、内容が愛情ドロドロの近親憎悪ものでしたので、登場人物のキャラクターをはっきりしないと面白くなりません(笑)。だからかなり相談しながらやりました。

実践的訓練といえば、このシーリズがそれにあたるのでしょうか?

そうですね。ドラマとしては単純なんですけど、基礎的な翻訳の力を蓄えるにはとても良い経験だったと思います。

他にはどんな作品をおやりになりました?

印象的だった作品は「ホミサイド」です、正しくは「ホミサイド/殺人捜査課」。
卒業してから2年後くらいにいただいた作品だと記憶しています。「イリュージョン」の最後の方の話数と並行して、かぶって翻訳していたのですけれど、大好きな作品でした。
あれも長いシリーズで、110話か120話くらいは続いたでしょうか・・・・

いい作品だったですね・・・・

本当に面白かったです。

分類すれば社会派ドラマっていうジャンルなんでしょうけど、好きなんですか?

昔から好きな傾向は、刑事ものが多かったんです。ですからこの種の作品はやりたかったんです。
そういえば、「マイアミ・バイス」の大ファンだったんですけど、DVDボックス発売のときに未制作だった最終話翻訳のお話をいただいた経験があります。
声優のキャスティングも昔のまま、本当に感動モノでした、まさかあの作品が出来るとは!ですよ・・・・。

たしかあのシリーズは、お亡くなりになった額田さん(注4)が翻訳されたはずです。あの方の作品を引き継いだとは、もう何も言うことはない(笑)・・・・アッパレです(大笑、デカシタ!)。
でも作品歴を拝見すると、ヒットはこれからも続きそうですね・・・・あの「ビバヒル」(新ビバリーヒルズ青春白書)にも驚きました。

注4 : 額田やえ子:木原先生や鈴木先生と同じく、映像翻訳の草分け的存在。
代表作:「刑事コロンボ」「刑事コジャック」「コンバット!」「特捜刑事マイアミ・バ イス」「ツイン・ピークス」他多数。

本人もビックリしています(笑)。これも、お話をいただいたときは夢のようでした。

最初なんの予備知識もなくオンエアーを拝見したとき、翻訳に竹本さんがクレジットされているので、驚きました。これも「アッパレ!」だと思います(笑)。
第一に海外ドラマファンなら、誰でもが好きなシリーズの作品を手がけることができたという点、第二に地上波発それもNHKのシリーズを手がけたという点で、「ヤッタ!」ということになるんでしょうね。

一番大きいのは、CSかビデオでしか見ることの出来ない娘の翻訳を、普通の全国放送のチャンネルで田舎の親が見れた事、それが何よりでした(笑)。年寄りなので、ただ名前を見ることだけで満足するんです(笑)。
それに誰もが知っている作品でしたので・・・・・

“故郷に錦を飾る”ですね(笑)・・・・ところで、この作品の翻訳の注意点というか、心構えのようなものについてですけど、どんなところにある のでしょう?

色々あるんですけど、一番の課題はいかに自然な若者の日本語を使えるかです。
ビバリーヒルズというハイソサエティーの若者達の姿、色々な問題を抱え悩む姿に、若い日本のファン達はあこがれると同時に同じような問題を持っているからこそ、熱狂的に迎えたんだと思うんです。 私もファンの一人でしたから、そう断言できます(笑)。
とすると、ビバリーヒルズの若者達の世界を、いかに自然な若者達が使う日本語にするか・・・・あざとくなく、自然な若者の言葉、雰囲気、これに尽きます。

ありがとうございます、よく理解できました。最後にこれからの抱負とか、目標のようなもの、語っていただけませんか。

この質問は私にとっていちばん難しい質問です(笑)・・・・有名な誰々の様になりたいとか、超大作をやってみたいとか言えれば良いのでしょうけど・・・・世間で言うところの野心とか向上心とかが持てなくて(笑)・・・・よくないですね。

フフフフ・・・なんとなく分かります。でも野心と向上心は結びつきません、野心はなくても向上心は翻訳を続ける以上持つでしょう(笑)。

勿論です、練磨は必要です。
こういうことなんです、海外ドラマは子供の頃からズーッと好きだったんで、このことがいちばん大きな理由でこの業界に飛び込みました。ですから最低限、海外ドラマに携わっていければそれで良しとしているんです。
その上で、あえて言うなら「ER」や「ビバリーヒルズ」のように誰もが知っていて、面白いと言ってもらえる作品に出会えたら一番の幸せなんです。これを”野心”と言えば”野心”になるんでしょうけど(笑)・・・・

アカデミア1期生の方のインタビューがようやく実現しました。14年前にプロとしてスタートを切った卒業生が現在何を考え、どのような活躍をしているのか、ぜひとも伺ってみたいところでした。

趣味を職業にするな、ということはよく言われることです。好きなことを職業にすればきっと嫌いになる、それはよくあることです。しかしながら竹本さんの場合、「海外ドラマ大好き!」という気持ちはプロになった今でも変わらず、それどころか一番大事な基本になっていることでした。証拠に海外ドラマの数々についてお話を聞いていると、この「好き!」がよく伝わって来ました。
このようなことはある意味ではまれなことなのかも知れません。「好き!」という気持ちを持ち続ける、プロとして難しいこの細い道を、いつまでも歩んで欲しいと思う次第です。

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