映像翻訳科|東北新社の学校だから力が身につく!
プロへの近道!
映像翻訳者への道を決めたあなたへの心構え
宜野座菜央見 MA, Ph.D. 明治大学/大阪芸術大学ほか兼任講師
UCLAでPh.D.(歴史学)取得。著書に『モダン・ライフと戦争』(吉川弘文館)。
映像翻訳に必須な知識の蓄積運用と誤訳防止のスキルを伝授。アメリカ学会会員。
映像翻訳に関心を持たれる方なら、字幕翻訳家として活躍される太田直子さんがご自身のエピソードをふんだんに披露されたエッセイ集『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(光文社新書2007年)を読まれたことでしょう。ユーモラスな語り口に引き込まれて楽しく読めてしまいますね。でも全体を貫いて最も印象的なのは、言語表現そのものに強いこだわりを持ち、実に粘り強い「調べ魔」である著者の姿だと思います。
この著作が示すように、字幕翻訳では英語を日本語に翻訳する作業がもっぱらです。でも太田さんのように英語以外の外国語(ロシア語)の学習経験があれば、この仕事の本質が英語と日本語の単語を単純に対応させる性質のものではないことを理解しやすいかもしれません。翻訳者とは、異なる二つの言語文化の間にたちはだかる翻訳不可能性の壁をひしひし感じつつ、それでも尚挑戦するしぶとい人たちです。オリジナルの言語表現に対する忠実さと自らの翻訳作業を通して切り拓かれる創造性の間で引き裂かれながら、まっとうな日本語表現を提供しようと努めるマゾ気質をもつ人たちです。
もちろん、魅力的な俳優扮するキャラクターに最もふさわしい話し方を提供するという映像翻訳者ならではの楽しさは大きいですし、これは話し手の個性に関係なく標準的日本語に訳出する通訳者が味わえない楽しさです。
仕事では英語が基本ですから高い英語力が必要条件です。いったん入学してから高度なレベルの英語学習と日本語での翻訳スキルの習得の二つを同時に追究するのは、実はとても難しく通常、お勧めできません。もし英語力に自信のない方が志されるなら、ご自分で奇跡を起こすくらいの覚悟で勉強しましょう。映像テクノアカデミアは、受講生の皆さんが目的地にたどり着くために効果的なマッピングと運転に役立つ様々な情報とテクニックを伝授します。でもこの行程を進むドライバーはあくまでご自分であることをどうかお忘れなく。