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【映像・広告】夏のセミナー2011・東畑幸多さん

2011年9月12日 21:52

当初、予定されていた8月26日のスケジュールが変更となり
29日の公演となりました。
日程変更が決定してから、チラシの情報変更、
HPへの告知変更、ツイッターでのお知らせ、たび重なる告知を行い、
最後には最強の東畑さん自らのリツイートによって
たくさんの方に来ていただくことが出来ました。

公演当日まで事務局に電話が鳴り、申し込みをしていただいた方々に感謝。

とともに、東畑さんの話が聞きたいからと
スケジュールを調整して頂いたみなさまの熱意が
東畑さんに伝わったのだと思います。


人と人がつながって行く広告を見せて頂き、
それの話を聞くことによって受講者のみんなの気持ちがつながっていきました。
それは講演をしているときに肌で感じたことです。
肌で感じたことは一生忘れない。
東畑さんはそのことを「JR九州新幹線全線開通」の
キャンペーンのお話を通じて教えてくれました。

時代の寵児となっているクリエイタ―の東畑さんです。
サントリーボスの「ゼロの頂点」シリーズや
カップヌードルのガンダムが出てくるCMなどが現在オンエアー中です。

東畑さんは、メディア状況の変化によって、
広告コミュニケーションは本当に人の気持ちを動かすものでないと、
ちゃんと効かなくなっているということをお話されていました。

東畑さんは、
そこの部分をきちんと担保しようとしているから、
届くCM作りが出来ているのでしょう。
リクルートの山田さんという女性の就職活動を応援するリクナビのCM。
そして、オトナグリコのキャンペーンでは、
大人になったサザエさんの「かつて子供だった」人たちを描いたCMなどを見ました。

後半は、あまりにも多くのことがありすぎて
まだまとめ切れていないとおっしゃった、
「九州新幹線全線開通」のCMキャンペーンのたくさんのお話を伺いました。
最初ビデオコンテでプレゼンし数チームの中から競合を勝ち取りました。

そこから、本当にこのCMは可能なのか?
そして人の気持ちに届くものになるのか?
考えられるリスクを軽減するためにどのような方法が考えられるか?
などなどの多くの課題を事前に検証し
クリアして行かれたのでした。

まるで「プロジェクトX」を見ているような。
品川から横浜間を走る新幹線などで
窓外の風景がどう見えるのか?
ウェーブは可能なのか?などの検証を始めました。

様々な問題をクライアント、広告会社、そしてプロダクションが
一体となって考え続けたとおっしゃっていました。

その後、九州の実際の窓外の風景を撮影したりして、
それをもとにビデオコンテを制作。
ヴュー・ポイントとなる場所をきちんと許可を取り担保し、
さらにイベント会社と一緒になって最低の応援人員を担保しました。

しかし、結果から言えば、このリスクヘッジは嬉しい杞憂に終わったのでした。
九州のたくさんの人々が2月某日、新幹線の線路の脇に集まって
趣向をこらしたパフォーマンスを行いました。
そして、仕込みで行われたカットと比べて
実際の人たちのカットの方が魅力があるとおっしゃっていました。
編集ではそのより魅力的な映像をつなげていったそうです。
最初のオフライン編集では45分あったものを
泣く泣く3分までに短縮しました。
しかし、来てくれた出来るだけ多くの人に出てもらいたいと、
様々なヴァージョンを制作したそうです。

 これだけの人数を集めるために
今年の冒頭から様々なメディアを使って
2月某日、七色に塗られた新幹線をみんなで応援しよう!という広報活動が行われました。
JR九州の全ての駅の媒体を利用し、
たくさんのタイプのTVCMを流しウェブでも連動が行われ、
撮影を迎えました。

この日は、九州の電通のほぼすべてのスタッフが現場に行きました。
ECDの古川裕也さんも東京からかけつけ、
ある駅で現場ディレクターとして陣頭指揮をとっていたそうです。
新幹線に乗車出来たのは東畑さんとADの大木さんだけだったそうです。

その当日のメイキングビデオを見せて頂きました。
それは、それはたくさんの人がかかわり
いったい何台のカメラが用意され何人の関係者が集まったのだろう!
という光景が続きました。

東畑さんが、最初、あまりその気がないような風だった
制作会社のプロデューサーたちが、撮影が終わり、
編集が終わったときに、顔つきが全然違っていた、
何かをやり遂げた人たちの顔をしていた。
それは現場にいてそこでやり遂げたからこその顔であった。
という話を伺い。
プロダクションカンパニーの人間としてとても感銘を受けました。

東畑さんは、
こうやって一緒に仕事をしたスタッフとは
一生の付き合いが出来るという言葉を聞き、
こういう人たちが集まったからこそ
このプロジェクトが成功したのではないか、と
改めて感じさせてくれました。

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